あなたの不満を誰に託す? 田村淳が抱く選挙への期待と葛藤
情報番組のMCやコメンテーターとしても活躍するロンドンブーツ1号2号の田村淳さん(47)。SNSなどによる絶大な発信力でもますます注目される存在だ。かねてより「選挙に行こう」と呼びかけている淳さんは、自分が納めた税金の使われ方が気になり始めた25~26歳の時に初めて投票したという。「この一票で何か変わるのかなと思いつつ、しかし、行かないと何も変わらない」。衆院総選挙直前、投票への思いを聞いた。(ジャーナリスト・中村竜太郎/Yahoo!ニュース Voice)
投票は「あの人に税金の使い道を決めてほしい」という観点で
――投票には行かれる予定ですか? 投票には行きます。もはや行かない選択肢が人生の中でないというふうに考えています。与えられた権利をきちんと自分の中で使いたいという思いから、投票に行っています。 子どもが生まれてから特に気になるのは、教育問題ですね。各党が子育てについて公約を掲げていますが、どういう政策を立てているのかが気になります。 ――淳さんが初めて投票に行ったのはいつですか。 25、26歳ぐらいだったと思います。それはこの業界に入ってお仕事いただけるようになって、自分の中でもお給料が高くなったなあと思えるようになった時。でも、同時に納めるべき税金も大きくなってきて、これだけ税金を納めるのかと。で、この税金ってどうやって使われるんだろうな、この税金の使い道を考えるのが国会議員の人なのか、っていうのを自分で知っていった。じゃあ、あの人に税金の使い道を決めてほしいなあっていう観点から、政治に興味を持ち始めて投票に行くようになりました。自分が投票する人が当選するとは限らないですけど、少なくとも選挙に行くっていう経験をすると、少し今までの自分とは違う、政治に参画した気持ちにはなれました。 ――データによると投票に行く20代は圧倒的に少ない。当時の淳さんは、初めて投票所に足を運んだときどんな気持ちになりましたか。 あんまり実感がなかったですね。なんかあっという間に終わったなあっていう、何も感じなかったっていうのが正直な感想。感情を揺さぶられるものがあったかと言われても、特にない。初めてチーズケーキを食べました、っていうときのほうが、驚きがあったような気がします(笑)。フワッと終わったので、まあこんなもんかみたいな感じでした。それまでと違うのは、ようやく経験できたっていうのはあったかもしれません。でも、大人になったなあという感じもなかったですね。 ただ、選挙速報やニュースを見るときに、「あ、俺が投票した人どうなったかな?」っていうような、それまでとは別次元の興味が湧いてきました。競馬にたとえて申し訳ないんですけど(笑)、自分が買った馬券のレースと、持ってないときのレースの違いで、見る度合いや熱量がまったく違う。「俺が(名前を)書いた人、当選したかな?」っていう目線でニュースを見るのは面白いですし、関心の持ち方が違ってきます。きっかけはどうあれ、その一票を投じたことで、選挙への関心、政治への関心が持てるようになりました。そこから社会全体の仕組みを学んだり、僕たちの生活に政治が密着していることをあらためて知ることができました。大変有意義でしたね。