日大がOB除外でアメフット部新監督・コーチを公募も不透明な問題点
日大は19日の夕刻に突然、「日本大学保健体育審議会アメリカンフットボール部新監督・コーチの公募について」というお知らせを公式ホームページに掲載した。「日本大学保健体育事務局では、自薦他薦を問わず、日本大学保健体育審議会アメリカンフットボール部の監督・コーチを公募いたします」と書かれ、詳細な公募要綱がPDFで日本語と英語の2種類で添付されていた。採用条件としては、募集人数は若干名で、契約内容及び身分は別途定める(就労条件は、専任又は、非常勤とし協議のうえ決定する)とあり、応募資格は(1)日本大学の目的及び使命を理解し、部の指導ならびに学生への教育等に情熱を持って取り組むことができる方(2)高等教育機関での教育歴を有する方もしくは、高校、大学、社会人等のアメリカンフットボール指導経験がある方(3)可能な限り指導に従事できる方(4)年齢不問、とある。 ただ「※」で、日本大学保健体育審議会アメリカンフットボール部出身者は除くという条件が記載されており、日大OBは選考除外とされた。 肝心の選考方法だが、第一次選考が書類選考、第二次選考が面接で、提出書類として(1)履歴書及び競技歴、指導暦 (2)どのようなチームビルディングを理想とするか(書式形式自由)という論文。締め切りは、6月28日とされている。 悪質タックルの問題で辞任した内田正人前監督、井上奨前コーチの後任監督・コーチを公募するとなると、一見、非常に開けた新しい日大アメフット部をゼロから構築するように見える。 関東学生アメリカンフットボール連盟は、チームに対して1シーズンの出場停止処分を下したが、救済処置を設けており、処分の解除条件を「原因究明を行い、それを踏まえて実効性のある再発防止策を策定、実施し、抜本的なチーム改革、組織改革を断行し、それらが検証委員会によって確認され、理事会で承認されること」としていた。そのためには監督、コーチ陣の一新が不可欠で、その選考方法として公募を取り入れたのは検証委員会に好印象を与えるフェアな手法だろう。 だが、一部の日大に詳しい関係者からは「出来レースではないか」と危惧する声が挙がっている。 そもそも公募してきた候補者の選考作業を誰がどういう形で行うのか、面接官は誰なのか、などについて一切、明らかにされていない。応募先に「保健体育審議会アメリカンフットボール部監督・コーチ選考委員会宛」とあるので、その選考委員会が行うのだろうが、メンバー構成もわからない。