夏合宿の試合結果は驚きの連続。今季の大学ラグビーは大混戦か!?
夏合宿の聖地である菅平高原では、注目の大学チーム同士の練習試合が次々に行われた。大学選手権4連覇を目指す帝京大に早大が快勝し、その早大に天理大が大勝。その後、天理大は東海大に完敗。各チームのパフォーマンスが試合ごとに変わり、秋以降の予想がますます難しくなった。逆に言えば、何が起こるかわからない戦いが始まるわけで、大学ラグビーファンにとっては必見の試合が増えたということだ。
強豪チーム同士の戦いは、8月中旬から下旬にかけて菅平のメイングラウンドであるサニアパークで連日のように開催された。最初にファンを驚かせたのは関東大学対抗戦Aで昨季4位の筑波大だ。8月14日、昨季対抗戦A2位の明大を35-31で破った。序盤からラインアウトモールで何度も攻め込み、明大に先制されたものの地域獲得で上回り、FB増山将(2年)のカウンターアタックなどでチャンスを作ってトライをあげた。筑波大には桐蔭学園から今季加入のNO8中森真翔(1年)、東福岡出身の1年生PR茨木海斗も出場しており、まだまだレベルアップしそうだ。
8月18日、筑波大と28-21と接戦を繰り広げたのが関西の春季トーナメントで2位となった関西学大だ。8月21日には、慶大を29-26で破っている。2023年のU20日本代表で選ばれたPR黄世邏(ふぁん・せら、4年)、NO8小林典大(3年)、WTB武藤航生(3年)、今年のU20日本代表PR大塚壮二郎(2年)らタレントも多く、大学選手権で上位を狙える戦力を証明した。
同じく18日の試合では早大が躍動。帝京大に対して日本代表HO佐藤健次キャプテン(4年)が3トライするなど完全にゲームを支配し、38-14で勝った。膝の怪我でリハビリを続けていたSH宮尾昌大(4年)が待望の復帰を果たし、正確なパスさばきでBKを走らせたのも明るい材料だ。
対する帝京大は序盤から受けてしまった印象で、LO本橋拓馬(4年)、FL青木恵斗キャプテン(4年)ら主力にミスも多く、後半は盛り返したものの敗れた。しかし、25日の明大戦では奮起。日本代表PR森山飛翔(2年)を軸にスクラムでも圧力をかけ、31-28で明大を下した。攻守のリアクションも良く、早大戦とは見違える動きを見せた。SOにはU20日本代表ではCTBを務めた本橋尭也(2年)が落ち着きそうだが、BKは才能豊かな選手が多く、細かなチーム作りはこれからだろう。