50・60代なら押さえたい新NISA「リスクの取り方」 退職金を「同じ金融商品へ一括投資」は絶対ダメ
高い利率を表示している商品としては、株価連動債券などの特殊な債券があります。特定の株価指数や個別企業の株価が基準となり、指定された期間に株価が一定水準以上であれば、元本と利息が受け取れ、水準を割り込めば元本割れとなる仕組みになっています。 利益は限定されているのに、元本が大幅に減ってしまうリスクがあり、得られる利益の期待値に比べてリスクが高く、お勧めできる金融商品とはいえません。 また、仕組預金という商品もあります。
高利率で元本保証を謳っていますが、満期を金融機関側が状況に応じて決める仕組みになっています。長期保有になる可能性があり、中途解約ができない・できたとしても元本割れとなるリスクがあるため、定期預金のつもりで気軽に預けるのは避けましょう。 資産形成は新NISAの対象商品で、地道に投資して行うことがお勧めです。 ■株価下落局面での心構え 株式市場の下落により保有資産に評価損が出ても、慌てず落ち着いて対処しましょう。
●株式相場は上昇と下落を繰り返す 図は、1995年から現在までの約30年間の日経平均株価の動きです(※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。 上昇局面と下落局面を繰り返しながら、概ね上昇トレンドとなっています。ただしこの間、2008年はリーマンショック、2020年はコロナショックによる株価の大幅下落が起こっています。 この先も、何らかの理由で株式市場全体が大きく下落する局面が出てくる可能性があります。
■実損を伴う可能性を低くする ●長期分散積立投資ならダメージは少ない 株価インデックスに長期積立していれば、銘柄と時間の分散と、ドルコスト平均法の効果が生きてきます。そのため、運悪く相場下落局面でお金が必要となって取り崩したとしても、大きな実損を伴う可能性は低くなります。 さらに、債券や金、預金などの、株式以外に資産を分散していれば、ポートフォリオ全体のダメージは、より緩和される可能性が高くなります。慌てて売ることはせず、落ち着いていつも通りの積み立てを続けましょう。