50・60代なら押さえたい新NISA「リスクの取り方」 退職金を「同じ金融商品へ一括投資」は絶対ダメ
こうした商品に投資することがすべて悪いわけではありません。投資の目的がはっきりしていて、それを実現するためであれば、投資する商品の中身を吟味して、自分が理解できる範囲でリスクを取ることは、むしろ投資の本質といえます。 しかし、投資の目的が明確でなく、他人に勧められるがままに高リスクの商品を購入したり、流行りに乗ってなんとなくはじめてしまうと、いざ損失の懸念が高まった時に正しい判断ができず、損を膨らませる可能性が高くなります。
■理解したうえで投資を 低コストの商品に投資することについても、賛否あります。 確かにコストは低いほうがよいですが、信託報酬の高いアクティブファンドの中には、コストを考えても、インデックスファンドより優秀な運用成果をあげている商品もあります。 すべての人にとって、またあらゆる状況でベストな投資方法は存在しないのです。得た情報をもとに中身を理解し、それが自分にとって必要か、今後状況が変わったらどうなるかを自分の頭で考えて投資することを忘れてはいけません。
●内容が理解できなければ投資しない! 投資する目的を明確にし、商品内容をしっかり理解して投資を行うことが、リスクの抑制につながります。 理解していないと、いざという時の判断ができません。 老後に向けた資産形成に、その商品は本当に適切かどうか、しっかりと考えて、購入を決めましょう。迷ったら、購入をやめるということも、大切な判断です。 高い利率を謳う金融商品には、必ず高いリスクが潜んでいます。安易に手を出さないよう注意しましょう。
●高い利率の債券・預金の金融商品に注意 新NISA対象商品ではありませんが、金融商品の中には「年6.00%」など、通常の円建ての預金・債券の金融商品では考えにくい高い利率をうたう商品があります。 こうした金融商品の1つとして、外貨建てで運用されていて、為替変動リスクがある商品があげられます。 たとえば外貨預金、外貨建て債券、外貨建て保険などは、高い利率が表示されています。しかし、為替が円高になった場合は高い金利が得られても、元本が目減りすることで、トータルでは損失になることもあります。