要件満たさないまま一時誤認逮捕 5時間後に釈放 福岡・小倉北署
福岡県警小倉北署は、刑法で定められた要件を満たさないまま脅迫容疑で男性(28)を誤認逮捕していたと、26日発表した。5時間後に釈放し、26日に要件を満たしたとして再び逮捕した。小倉北署は「署員の法への理解が足りなかったことが原因」としている。 発表によると、25日午後10時45分ごろ、北九州市小倉北区の同署前の歩道で、男性が署の巡査の名前を挙げて「殺しにきた」などと発言し、署員が脅迫容疑で現行犯逮捕した。 刑法は脅迫罪について、生命や身体などに害を加えると伝えて人を脅迫すると成立するが、事件当時、名指しされた巡査は勤務時間外で署内に不在だった。逮捕後、刑事部門の当直責任者が要件を満たしていないと気づき、26日午前3時半ごろに男性を釈放したという。 男性は署を一度離れたが、出勤した巡査が「脅迫」の文言を確認。署は男性に任意同行を求め、26日午前11時10分ごろになって同容疑で再び逮捕した。「間違いない」と容疑を認めているという。 小倉北署の河村一郎副署長は「緻密(ちみつ)かつ適正な捜査を推進し、同種事案の防止に努めていく」と話した。(興津洋樹)
朝日新聞社