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ビッコミ(小学館)、チャンピオンクロス(秋田書店)、リマコミ+(集英社)などの、ウェブブラウザからアクセスする「ウェブマンガ」(ブラウザマンガ)の開発・運用を手がけるコミチの萬田大作氏に、マンガに強い電子書店は苦手だがウェブマンガ誌にはできることや、少年マンガ、青年マンガ、女性マンガの読まれ方の違い、今後の国内マンガ市場の展望について訊いた。 【マンガ】外国人ドライバーが岡山県の道路で「日本やばい」と驚愕したワケ 前編記事<マンガは「アプリ」だけじゃない…ここにきて、じつは「ウェブ漫画誌」が超重要になっているワケ>

「＃マンガが読めるハッシュタグ」からさらに続きを読みにやって来る

――やはりウェブマンガ誌ではSNSからの流入のボリュームが大きいのでしょうか。 萬田かなり大きいですね。ですからわれわれはウェブサイトだけでなくSNS運用もやっています。SNSではいかにも企業発信的なものには反応が薄く、発信者個人が何者なのかが明確で、その人個人を理解してもらうことでフォローが生じる傾向が強いですよね。ですから普通にプロモーション的な情報だけ発信してもあまり拡散されず、それよりも作家さん個人が日常やふだん感じているものをつぶやきながら自作についても発信するような運用方法の方が食いつきが良い。「うわっつらな情報ではなく、本物が見たい」という欲求があります。ですからわれわれもSNSアカウントではその点を意識しつつ、キャンペーンを案内したり、Xで人気の「＃マンガが読めるハッシュタグ」「＃漫画が読めるハッシュタグ」を通じてマンガをある程度の分量読んでいただいたあと、リプライで「2話目はこちら」といったかたちでサイトへ誘導するのがひとつのパターンになっています。 ただ「運用者の顔、キャラクターが見えることがSNSでは重要」と言うと担当者の属人的な要素に左右されてしまうと思われるかもしれませんが、ある程度のパターンが蓄積されていますので、たとえ担当が途中で引き継がれたりしても精度を高く運用できています。 ――広告やSEOからはあまり人は来ない？ 萬田いえ、広告流入もけっこうあります。ただ、言ってみれば広告はお金を出せば出すだけ人が来るわけですので、あえて広告からのサイトへの流入は全体の10~15％くらいに抑えるよう、コスパを見極めてチューニングしています。広告で露出するマンガも、弊社でシーンを選定して、続きが読みたくなるような部分で切るとか、それにどんな文言を添えてツイートするか、数字を見ながら常に検証しています。 もちろんSEOもやっています。やはり著名な人気作品の名前や「ヤンマガ」「チャンピオン」といったブランド名での検索流入が多いですので、Google上でそれらの上位表示が取れるように狙って運用しています。一方で「マンガ」「マンガ　無料」のような大きなワードはシーモアさんですとか、昔から強い電子書店さんがいらっしゃいますので、そこはお互い棲み分けということで私たちは力を入れていません。