少年マンガ、青年マンガ、女性マンガによる読まれ方の違い

――母体となるマンガ誌のジャンルや年齢層、性別による違いはありますか。 萬田少年誌は幅広く読まれますね。たとえばチャンピオンクロスであれば、チャンピオン作品を一覧してジャンルを問わずダーッと読まれます。一方で青年誌は深く読まれる――あれこれ読むというより1作品、1ジャンルごとの読了時間が長い傾向にあります。 少女誌・女性誌はまだ始めたばかりですが、今のところ販促すればすぐトラフィックが上がり、初速が良い印象があります。少年誌が幅広くいろいろな作品が読まれることとは対照的に、「女性マンガ」はひとくくりにできず、明るい青春ラブコメを読みたいユーザーは基本的にそれしか見ませんし、一方BLはBLが好きな人しか読まない傾向が強いです。青年誌よりもさらに深く特定ジャンルを掘り、連続して同じタイプの作品を連続して読む感じですね。女性は「これを読む」と決めたらその瞬間にはそのジャンルしか読みたくないのかもしれません。 ですから女性向けの作品では「ジャンルで分ける」のが重要になります。好みの細分化が激しいのでトップページの設計が難しいのですが、弊社で手がけているリマコミ+では漫画雑誌レーベルごとにトップページが切り替えられる仕様になっています。「りぼん」のトップページと「マンガMee」のトップページでは全体の色味、トーンなどが変わるようにして「ジャンルで分かれている」ことがわかるようにしています。大トップページと小トップページを分けるというか、雑誌別→ジャンル別という階層構造にする必要があるのが女性向けの特徴です。 ――現状の課題と今後の展望は？ 萬田ウェブマンガ誌自体での課金額の大きさを期待してのお問い合わせもいただくのですが、現状そこまでではありませんので、そこをウェブマンガ誌から電子書店への送客、作品のヒット支援と両立させられるようにしていくのが課題です。 課金率や額ということとも関係しますが、今後の展望としては次はIP展開のお手伝いをする、具体的にはグッズの制作・販売も合わせ技にすることで客単価アップ支援をしていきます。国内マンガ市場はデジタルの伸びも鈍化してきていますので、次はデジタルを軸に「今しかできない」参加体験やファンなら欲しいと思うような特装版コミックスなどをプラスして売っていく領域が伸びていくフェーズに入ると思っています。