支援物資積んだトラック約100台略奪 ガザで深刻さ増す食料不足
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は18日、パレスチナ自治区ガザ地区で支援物資の食料を積んだトラック約100台が16日に略奪にあったと明らかにした。ガザでイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が続く中、人道危機の深刻さが改めて浮き彫りになった形だ。 UNRWAなどによると、16日にトラック109台がイスラエル側からガザへ入った際に、その大半が被害を受けた。一部の運転手は負傷したという。 ロイター通信は、トラックの車列が、イスラエル軍の指示で、普段は使わないルートを通っていたと報じた。誰が略奪したのかは明らかになっていないが、ハマス幹部は系列メディアで「略奪に関わったギャング20人以上を殺害した」と語ったという。 国連人道問題調整事務所のまとめでは、ガザでは人口の9割以上が深刻な食料不安に直面し、5万人超の子供が急性栄養失調で治療を必要としている。 UNRWAは「イスラエル当局は、人々の基本的なニーズを満たして支援を安全に届けるという国際法上の義務を無視し続けている」と批判した。【カイロ金子淳】