「日本語は読めるけど理解できない人」はこんなに多い!情報弱者が大量生産される絶望的な事情
ネット社会では常日頃起きていると言っても過言ではない、炎上騒ぎ。堀江貴文氏によれば「日本語を読めても理解ができない日本人のせいでSNSが炎上する」と指摘する。その実例を端的に表すのは、文章読解力を測る単純な4択問題に、なんと進学校の高校生3分の1もが誤答したという悲惨な現実だ。論理ではなく感情で文面を読み取り、過剰反応する日本人の危うさに堀江氏が警鐘を鳴らす。堀江貴文『ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来』(徳間書店)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 日本語を「理解」できない 日本人が多いという問題 日本人の識字率はほぼ100%だ。ほとんどの日本人が日本語を読むことができる。しかし、「文章を読めること」と「文章を理解すること」は別だ。 行間、文脈を汲み取る。皮肉、逆説、比喩表現を適切に解釈する。それが文章を理解するということだ。いわゆる読解力である。しかしいまの日本人の読解力はかなり怪しい。 たとえば、私のSNS投稿に対してあまりにも的外れな批判が相次ぐのだ。なにもその投稿は小難しい理屈をこねているわけではない。いたってシンプルな記述だ。それなのに文意を完全に取り違えた批判が寄せられる。 批判自体はいくらでも大歓迎だ。思想と表現の自由である。でも明後日の方向にボールを返されても困る。反応のしようがない。 日本語は読める。でも理解はできない。そんな日本人が少なくないのだ。実はそれはデータでも明らかになっている。『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(新井紀子/東洋経済新報社)に興味深い調査結果が載っていた。
著者の国立情報学研究所・新井紀子教授が全国2万5000人を対象に基礎的な読解力の調査を行った。すると日本人の危機的実態が明らかになったのである。 ● 日本人の日本語力は 絶望的に低かった この調査は、対象者にさまざまな文章問題を提示し、その回答結果を集計して、日本人の読解力レベルを検証したものだ。そこで用いられた設問はどれも難しい内容ではない。主語と述語の関係。修飾語と被修飾語の関係。そういった基礎中の基礎さえ押さえられれば簡単に正解を導ける。たとえば次のような問題である。 次の文を読みなさい。 Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。 Alexandra の愛称は( )である。 (1)Alex (2)Alexander (3)男性 (4)女性 ※新井紀子『AIvs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)P200より もちろん、答えは(1)Alexだ。引っかけ問題でもなんでもない。