「日本語は読めるけど理解できない人」はこんなに多い!情報弱者が大量生産される絶望的な事情
しかし正解率はどうだったか。なんと高校生の3分の1が間違えたのである。しかもそれは進学校の生徒たちだ。日本人の日本語力は絶望的に低いのである。 ● 意思の決定と表明を論理ではなく 感情でおこなってしまう 笑い事ではない。この調子だと日本ではまともな議論が成立しなくなる。 原子力発電所の再稼働は必要か?不要か?原発再稼働をめぐる問題は国民みんなで議論すべき重大なテーマだ。しかしかりに国民の3人に1人が読解力不足であれば、生産的な議論を尽くすのは難しいだろう。 文章を正しく理解できないということは、さまざまな情報を正しくインプットできないということだ。情報を正しくインプットできないのなら論理的思考は不可能である。 するとどうなるのか。意思決定、意思表明を論理ではなく、感情で行ってしまうのだ。自分の頭で考えず、好きなインフルエンサーの意見を鵜呑みにしてしまう。そうやってあらゆる事柄をなんとなく判断していく。極めて危険である。 しかしそれがいまの日本の現状なのだろう。世論は感情や印象でつくられ、その世論が政治家を選ぶ。政治家は政治家で世論に迎合して本質的な議論を避ける。決断を先送りするわけだ。
人口減、少子高齢化、対中・対ロをはじめとした国防など、日本には待ったなしの重要課題が山積している。決断を先送りしているひまはない。 日本の未来は、国民ひとりひとりの日本語力にかかっている。そう言っても過言ではない。日本語教育の中身をいま一度見直す必要があると思うのは私だけではないだろう。 ● 行間や文脈を汲み取れず 長文にパニクる日本人 べつに炎上商法をしているつもりはないが、私のSNSでの発言はたびたび炎上してしまう。前項で述べたように、日本語を理解できない日本人が少なくないからだ。 かつて炎上対策を試みたことがある。それまでの私の投稿はいつも要点のみの短文だった。だらだら書くのは趣味ではない。でも短文だとこちらの真意が伝わらない。誤解されてしまう。行間や文脈を汲み取れない人が多いのだ。 そこでためしに言葉を尽くした丁寧な記述を心がけてみた。文字数が増え、くどくなってしまうが、誤解は減るかもしれない。そう期待したのだ。 でも無駄だった。同じように炎上した。むしろ情報量があるぶん、余計に揚げ足を取られた。人がせっかく労力をかけて書いているのにアホくさい。で、長文投稿はすぐにやめた。