「この日を この時を待っていた」四半世紀にわたる悲願の成就『佐渡島の金山』世界遺産登録で浮上した課題
【新潟県 花角英世知事】 「これがゴールではありません。これから佐渡金山をしっかり保存するとともに、佐渡や新潟のすばらしい魅力を味わっていただいて、理解していただいて、そして地域の活性化につなげていきたい」 世界遺産登録で、『佐渡島の金山』周辺には多くの観光客の姿が見られました。 「史跡 佐渡金山」に繋がる道路は渋滞、入場券売場には長い列ができました。 佐渡市によりますと、2024年8月の観光客の数はおよそ9万1400人で、2023年と比べ8.4%増加。9月は21.5%増のおよそ5万3800人。 【ホテル万長 橋本佳行営業課長】 「世界遺産が決まった7月27日以降に入った予約の紙…」 「ファックスから次々と出てきて、紙が無くなった」 【アイランドレンタカー 後藤美佳子店長】 「レンタカーの台数も限りがあって、“足りない”のが現状」 「少ない人材で回しているので…」 『佐渡島の金山』の世界遺産への登録で、島内の観光には二次交通や宿泊施設が追いついてない現状も見えてきました。 また、冬期は観光客が少なくなる傾向にあり、“通年観光”にも課題があります。 佐渡市の渡辺竜五市長は10月に、BSN新潟放送の単独インタビューで、冬場は海外からのインバウンド客にターゲットを絞る考えを示しています。 「お正月の外国人のロングバカンスみたいなものも含めて、12月や3月10日の『佐渡の日』くらいを一つのターゲットに、長期滞在型とかをやってみようということで今、議論しているところ」 登録直後に佐渡を訪れたのは観光客だけではありませんでした。 相川郷土博物館には、今回の世界遺産への登録に合わせて新たに展示の始まった朝鮮半島出身者の労働環境や生活ぶりを説明する資料もあります。 8月には韓国の国会議員団が佐渡を訪れ、朝鮮半島出身者の慰霊と強制労働に関する展示を視察。議員団は、「全ての労働者の辛い環境をちゃんと表記して、その中でも朝鮮人労働者は“強制動員”されたと、はっきりしてほしい」とし、改めて「強制労働」という言葉の掲示と資料展示場所の変更を強く求めました。