「この日を この時を待っていた」四半世紀にわたる悲願の成就『佐渡島の金山』世界遺産登録で浮上した課題
20年以上にわたる悲願が叶い、2024年7月27日に世界文化遺産となった『佐渡島の金山』(新潟県佐渡市)。 直前まで行われた日韓の水面下での調整や、その後に見えてきた課題を探ります。 【写真を見る】「この日を この時を待っていた」四半世紀にわたる悲願の成就『佐渡島の金山』世界遺産登録で浮上した課題 ■回顧2024『佐渡島の金山』 1月。 仕事始めを迎えた佐渡市役所では、渡辺竜五市長が「世界中から注目を浴びる年になる」と、力強い言葉で年始の挨拶を行いました。 「この世界遺産というのは非常に大きなチャンス…」 20年以上に及んだ世界遺産登録にむけた活動の末、『佐渡島の金山』については「今年の夏にも登録の可否が決まる」と言われていたのです。 そんな期待に沸く中で、不穏な動きもありました。 世界遺産委員会の委員国でもある韓国の動向です。 【尹德敏(ユン・ドクミン)駐日特命全権大使・4月当時】 「立派なところもあるんですけれども、マイナスの歴史もあるわけですから『全体の歴史』をなんとか表示できるような形でやる必要があるんじゃないかと…」 佐渡金山では戦時中に朝鮮半島出身者の“強制労働”があったと韓国は主張し、『全体の歴史』を表示することを求めました。 そして6月。 【地元の人】 「期待していた以上にがっくりきている。今年こそは、って…」 ユネスコの諮問機関・イコモスは『佐渡島の金山』の評価について、「情報照会」の勧告を出しました。追加情報の提出を求める内容です。 【佐渡を世界遺産にする会 中野洸会長】 「期待していたんですけど、きのうの発表を聞いて“残念だ”という気持ちですね」 併せて示された“追加的勧告”では、「全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明や展示戦略を策定し、施設や設備等を整えること」という配慮が求められました。 世界遺産委員会での世界遺産リストへの登録には全会一致が原則とされています。 日本と韓国は、水面下で綿密に調整を進めました。 そして運命の7月…。 「嬉しいだけです。この日を待っていた。この時を待っていた!!」 四半世紀にわたる悲願が叶い、ついに『世界文化遺産登録』が決まりました。 【佐渡を世界遺産にする会 中野洸会長】 「28年の間にいろんなことがありました。全て忘れたと言っても過言じゃないくらい…。そのぐらい大きな喜び」