名門・滝川二、復活ののろし 7大会ぶり初戦突破 「最後まで走り切れた」小森監督全国初陣星
第103回全国高校サッカー選手権大会1回戦(29日、山梨学院1―2滝川二、ニッパツ三ツ沢球技場)「強い滝二」を取り戻す-。決意を胸に、まずは1勝をつかんだ。滝川二(兵庫)の主将、MF三宅蔵ノ助(3年)が決勝弾。後半終了間際に得たPKをキッチリ決めて山梨学院を2-1で破り、2回戦進出を決めた。 「松元が取ってくれたPK。自分は何もしていないですけど、しっかり決め切れてよかった。初戦突破することができてよかった」 試合後は照れくさそうに笑った。1-1の後半39分に途中出場のMF松元大智(3年)がペナルティーエリア内で倒され勝ち越しのチャンス。PKのキッカーを託された主将が冷静に冷静にゴール右へ決め、7大会ぶりに初戦を突破した。 今年は同校の創立40周年の節目。加地亮、岡崎慎司、金崎夢生ら歴代日本代表メンバーを輩出してきた名門は「怯(ひる)まず、驕(おご)らず、潑剌(はつらつ)と」をモットーに2010年度大会で全国制覇。近年はライバル校の神戸弘陵などに兵庫代表の座を奪われることもあったが、今大会は3大会ぶり22度目の出場だった。 昨年12月に同校OBの小森康宏監督が新たに就任。今季までC大阪で監督を務め来季からはJ2へ降格する鳥栖で指揮を執る小菊昭雄監督は、小森監督にとって同級生。さらに1学年下にはJ1神戸を2連覇に導いている吉田孝行監督もいた。そんな男たちと汗を流してきた新指揮官に促され、部員たちは自然と「プレーの強度が足りない」「じゃあどうする?」と自ら意見をぶつけ合うように。プリンスリーグ2部などで得た実戦経験をフィードバックし、チーム力を強化してきた。 小森監督にとっても全国初舞台の初陣で勝利。「いままで積み重ねたことがどれだけ出せるか、とやっていた。最後まで走り切れたことが勝因かな」と喜び、「これを勢いに変えられたら」と今後を見据えた。 31日の2回戦の相手は東北学院(宮城)。目指す頂点に向け、全員で突き進む。(西垣戸理大)