【逝去】八代亜紀さんが闘病していた「膠原病」とは? 皮膚筋炎との関係も医師が解説
膠原病の受診科目
編集部: 膠原病と思われる症状があれば何科を受診すればよいでしょうか? 武井先生: 膠原病の症状は病気によってさまざまです。初期症状は風邪症状にも似ているため、症状から膠原病と判断するのは困難です。体調が悪いと感じたら、かかりつけ医を受診し、検査を受けることが膠原病の早期発見につながります。 関節の痛みや腫れ、倦怠感、微熱、目や口の渇きなどの症状が1か月以上続いている場合など、膠原病が疑われる症状が継続していれば、膠原病内科やリウマチ内科などの専門外来を受診しましょう。
膠原病で行う検査
編集部: 膠原病ではどのような検査を行いますか? 武井先生: 尿検査、血液検査、胸腹部や関節のX線検査などの基本的な検査と、膠原病の患者が持っていることが多い抗核抗体や、リウマチの診断に有用なリウマトイド因子、慢性炎症で増加する血清補体価(CH50)の検査も行います。 炎症マーカー、血清免疫検査、画像検査、組織検査などを実施して、疑われる病気を絞り込みます。
膠原病の性差・年齢差など
編集部: 膠原病に性差や年齢差などはあるのでしょうか? 武井先生: 一般的に膠原病は若い女性に多くみられますが、病気によって性差や年齢差は異なります。膠原病の代表的な病気の性差・年齢差を以下に挙げます。 結節性多発動脈炎の平均発症年齢は55歳であり、男女比は男性:女性=3:1程度で男性に多く発症します。 シェーグレン症候群の男女比は男性:女性=1:9~20で、圧倒的に女性に多い病気です。発症は40歳~60歳に多くみられますが、子どもから高齢者まで発症します。 関節リウマチの男女比は男性:女性=1:4.7と女性に多い病気です。 全身性エリテマトーデス(SLE)は、20代~40代の女性に好発し、男女比は男性:女性=1:10です。 全身性強皮症の男女比は男性:女性=1:12であり、30代~50代の女性に好発します。
編集部まとめ
膠原病は多数の臓器が炎症を起こす病気の総称です。膠原病には多くの病気があり、症状もさまざまです。共通してみられる症状は、発熱や倦怠感などで、初期症状は風邪と似ています。 進行すると関節の変形や臓器の障害が出てくるので、体調不良を感じたらかかりつけ医を受診しましょう。微熱や関節炎などの症状が1か月以上続いている場合も、膠原病内科やリウマチ内科といった専門医を受診し、早めの診断と適切な治療につなげましょう。