58歳も現役 カズが「特別な日」11月11日に国立で宣言 プロ40年目へ「情熱はずっと持ってやりたい」
サッカーのJFL、アトレチコ鈴鹿のFW三浦知良(57)が11日、プロ40年目の来季も同クラブでプレーすることを明言した。左脚の不調でベンチ外となったクリアソン新宿戦(3〇0)後、国立競技場で取材に応じ、26年1月末まで、鈴鹿との期限付き移籍契約があることを明かした。来年2月に58歳を迎えるキングが衰えることのない情熱で来季もピッチに立つ。 特別な一日の締めくくりに、カズが聖地・国立で来季も現役を続行することを明言した。試合を欠場したためスーツ姿でテレビカメラの前に立ち、来季の契約について話題が及ぶと、自らこう切り出した。 「6月に帰ってきた時にアトレチコ鈴鹿の方から1年半の契約を。26年の1月までですね。言われてなかった? まあそれはいいじゃないですか」 言葉を濁したが、58歳で迎えるプロ40年目も現役続行することを明かした。ポルトガル2部のオリベイレンセから、今年6月に保有元の横浜FCに復帰して鈴鹿に期限付きで加入。移籍期間は2025年1月31日までとされていたが、実は1年半契約だったことをサプライズ告白した。 1が4つ並んだ日に明かしたのもキングによく似合う。11対11で行うスポーツで、背番号「11」を愛するキングは「ずっと自分がつけてきた番号でもあるし、意識して11にこだわってる部分もある。そういう意味では11月11日、1月11日は特別な日なのかな」とプロ40年目への決意を示すにはピッタリの日でもあった。 この日の一戦を左脚の不調でベンチ外となり「体っていうのはやっぱり衰えていくのはしょうがないんで」と話したように、最前線でプレーし続けるのは、並大抵の努力ではできない。それでも根底にあるのはサッカーへの思いだ。「いろいろな人たちの協力を得ながら、毎日毎日やっていますので、感謝を忘れずに自分らしくやっていきたい。情熱っていうのはね、逆に言うと増すものもありますし。その情熱はずっと持ってやりたい」と熱っぽく語った。 来季も舞台は、J1から数えて4部相当のJFLとなる。平日開催ながらJFLでは歴代3番目の1万4907人が来場したこの日の新宿戦を見て「(国立に)6万人を入れられるように頑張ります」と誓いを立てたカズ。来季もピッチに立ち、勝利とゴールを追う。(後藤 亮太) ◆カズに聞く ―国立での試合を振り返って。 「JFLではなかなかないのでリーグにとっても大きな一日。勝利を決めてほんとに良かった」 ―JFLでの戦いをどう感じているか。 「横浜FCの時も、当然ヴェルディ(川崎)で常に勝利、優勝することは至上命令だった時もそうでしたけど、本当に勝つのが大変だなと改めて実感していますし、こんなにも難しいのかと思いながらやっていました」 ―来年は体制も整えてJ3を目指す戦いとなる。 「ムーブメントを起こすには、まずクラブとしてはライセンスがどのようにしっかり取れるかっていうことがすごい重要なこと。それがないとどうしても一つの方向にみんなが向きにくい。クラブがどういうふうに努力してるかが大事」 ―来季に向けて。 「(今季)あと2試合あるんで、それにしっかり自分も準備したい。来年に向けて12月、1月とキャンプの予定もありますし、シーズンに向け備えたい」 ◆明治安田・永島社長がカズに花束贈呈 この日の国立での一戦は「明治安田『サッカーの日』マッチ」として、11対11で行うスポーツであることから「サッカーの日」の11月11日に開催された。試合前には花束贈呈式が行われ、明治安田の永島英器社長は、アトレチコ鈴鹿の背番号「11」のFW三浦知良へ贈呈した。キングはベンチ外のためスーツ姿での登場となったが、名前がアナウンスされた時にはスタンドに向けて両手を振るなど会場を沸かせた。
報知新聞社