<安保法制>自民党・岩屋毅議員に聞く「戦争法案ではなく戦争回避法案だ」
任務遂行のための武器使用とは?
── 自衛隊の活動内容では、「任務遂行のための武器使用」を認めるとの案ですが、これが非常に「巻き込まれる」リスクを高めるとの指摘があります。 岩屋:この「任務遂行のための武器使用」というの語も、なかなか普段使わない言葉ですから、国民の皆さんには分かりにくいと思います。例えば、PKO活動に行った自衛隊が何かの物資を車に積んで運んでいるとします。そこに強盗、夜盗の類いが武器を持って立ちはだかり、通せんぼをする。しかし、任務を遂行するためには、なんとしてもその荷物を目的地に届けなきゃいけない。 今まではこのケース、強盗・夜盗の類いに対処する方法がなかった。しかし、これからは、例えば、武器を構えて威嚇をするとか、空に向かって空砲を撃って、いわゆる威嚇射撃などをできるようにします。「任務遂行のため」というのは、自衛隊の任務を達成するために、妨害が入ったときに武器を使用して、任務が達成できるようにしようということです。使用してというのは、必ずしも撃つという意味ではなく、撃つためには正当防衛、緊急避難じゃないと撃てません。武器による威嚇を行うことによって妨害を排除し、任務を達成する。これが任務遂行のための武器使用です。PKO活動を行う、よその国の軍隊は、ほとんどそういう権限を持っていて、これはインターナショナル・スタンダードですよ。わが国の場合はそれも制限してきたのです。 そういう武器使用権限を増やすことによって、リスクが高まる可能性はあるんじゃないかと言われれば、私はあると思います。だからこそ、いかに正しく、任務遂行のための武器使用ができるかについて、マニュアルを作り、それに基づく訓練を徹底して行ってから初めて自衛隊を派遣する。ヨーロッパの国々はPKO訓練センターといったものを持ち、訓練を行った上で要員を派遣しています。日本も、もちろん、今までもやってきてはいますが、さらにその対策をしっかり講じなければいけない。