【高校サッカー】千葉・市立船橋 帰ってきた“青の強豪” 雪辱果たし3大会ぶり全国へ
102回目の開催となる全国高校サッカー選手権大会。強豪校ひしめく千葉県からは、市立船橋が全国大会へ進出しました。11月11日に行われた千葉県大会決勝を振り返ります。 【画像】第102回大会も国立競技場での開会式・開幕戦で幕を開ける全国高校サッカー選手権大会 ◇ ◇ ◇ 千葉の決勝は、3大会ぶり24回目の全国選手権出場を目指す市立船橋と、2大会連続2回目の出場を目指す日体大柏の一戦。2021年まで千葉県の決勝は9年連続で市立船橋と流通経済大柏による同一カードでした。千葉の高校サッカー界に風穴を開けた日体大柏が再び歴史を作るのか、それとも市立船橋がリベンジを果たすのか。 「球際、切り替え、運動量」の3本柱を最も大事にする市立船橋のフォーメーションは『4-4-2』。「相手にプレッシャーをかけやすく、バランスも保てて個性も出しやすいシステム」と波多秀吾監督は自負しています。伝統の10番を背負うU-18日本代表の郡司璃来選手や豊富な運動量と精度の高い左足を持つキャプテン太田隼剛選手。U-17日本代表で左サイドバックの内川遼選手など「個性」の光る選手たちが噛み合い、危なげなく勝ち上がってきました。 試合は序盤から動きます。前半9分、右サイドからのクロスボールのこぼれ球を、2年生のFW久保原心優選手が左足で振りぬき、市船が先制。前半21分には、清水エスパルス加入が内定している3年生のFW郡司選手がディフェンスとの競り合いを制し前を向くと、強烈なミドルシュート!ゴールネットを揺らします。その後も前半33分、ロングスローからのこぼれ球を再び久保原選手が押し込み、3-0と市立船橋が大きくリードを広げます。 後半も市立船橋の勢いは衰えません。後半9分、日体大柏のバックパスを郡司選手がインターセプト。キーパーとの1対1を華麗な足技でかわすと、ゴールへボールを流し込みます。この日2点目を決めました。 反撃したい日体大柏は、後半15分、左サイドからチャンスを作ると、3年生のFW大和田琉星選手が頭で合わせてゴール。1点を返し4-1となります。 しかし、この日の主役は市立船橋の10番でした。後半26分、前線へのロングボールに反応したのは郡司選手。ディフェンダーに競り勝ち、キーパーに迫られても冷静に空いたコースに流し込み、この日3点目のハットトリック達成!市立船橋は5-1で勝利。去年の雪辱を果たし、3大会ぶり24回目の選手権全国大会の進出を決めました。 試合終了のホイッスルが鳴ると、抱擁を交わしたキャプテン太田選手と波多監督。 太田選手は涙ながらに「メンバーだけの力ではここまで来ることはできなかった。ケガでプレーできない3年生が一生懸命サポートしてくれて…。応援などいろんな人がチーム一丸となった結果がこの勝利だと思う。そういう人たちの思いも背負って全国優勝してみんなで喜びたいです」と意気込みを語りました。 また波多監督は「どちらに転んでもおかしくないような試合展開でしたが、相手の隙をつくことやゴール前での勝負強さは、うちの選手たちがしっかりと発揮してくれました。高校サッカー界における市船としての存在価値。全国ではこれをしっかりと証明していきたいです」と力強く話しました。 選手権に帰ってきた青の強豪…。強力な個が噛み合った今年の"イチフナ"はどんなプレーを見せてくれるのか。市立船橋の初戦は高川学園と12月29日に行われます。 (取材・文:高校サッカー選手権民放43社/千葉テレビ放送)