すき屋のゼンショー・小川賢太郎会長がラリアットを食らわせた、投資家からの「まさかのひと言」
安いので社長にアポを取って訪問しました。まず、玄関を入るとベンチプレスのためのベンチと重そうなバーベルが置いてあります。社長は強烈な体をしていて「ほうれん草食べた後のポパイ」みたいなんですよ(たとえが古すぎますね)。「キン肉マン」の胸板を一回り厚くした感じです。話を聞くと東大で学生運動にのめりこんだおかげで就職がままならず、何とか牛丼屋で働くことになったそうです。そこでもひと悶着あって起業したとか。 インタビューというより一方的に「牛丼がいかに優れた食べ物か」をまくし立ててました。そのうち「日本人は欧米人に比べて体格が貧弱すぎる。ちゃんとベンチプレスやって体鍛えて牛丼食ってれば戦争に負けなかった」とか言い出し始めて。「この人左翼なの?右翼なの?どっち?」と思って話を聞いてました。最後にメニューの説明を受けて終わりになりましたが、帰り際に「このメニュー1つもらっていいですか?」って聞いたら、こうですよ。「いいけど駅で捨てないでね」。 株価が上がるのは確実だと思ってすぐに頑張って買いましたけど売り物がなくて2億円も買えませんでした。株価はすぐに何倍にもなり「中期経営計画の発表会」の時には50人ぐらい投資家が集まりました。驚いたのは5年後の利益計画が強烈だったことだけではありません。なんと5年後のPERと株価予想まで入ってるのですよ。とっても珍しい中期経営計画でした。
● 「牛丼飽きませんか?」は 一発食らうことになる ある時我々は小川社長の訪問を受けました。 帰り際にエレベーターの前で私の部下が余計なことを言います。「実は私もジムで鍛えてるんです」と。「お前と社長じゃあ筋肉の量が全然違うだろ。失礼じゃないか」と思いましたが、やっぱり社長も「カチン!」ときたみたいで「おい!胸貸せ!」その直後、「ドスン」です。 なんと社長が私の部下にラリアットをぶちかましてました。 こんな愉快な社長はどこ探してもいないと思いますよ。皆さんも小川社長に会ったときは言葉に気を付けてくださいね。「牛丼って飽きませんか?」とか言うと確実に一発食らうことになると思います。 このように、大型株に比べると、中小型株は社長の個性や良し悪しによる業績への影響が圧倒的に大きいのです。大企業のようにたくさん経営資源があるわけではないですから。これがメガバンクなどであれば、誰が社長になっても業績はあまり変わらないと思います。そもそも、人材が豊富なのでダメな人が社長になる確率も低いでしょう。
清原達郎