すき屋のゼンショー・小川賢太郎会長がラリアットを食らわせた、投資家からの「まさかのひと言」
800億円という莫大な資産を築いた投資家、清原達郎氏。投資先として継続して成長する企業を見極めるために、数多くの社長たちに会ってきた。実際に会ってみるとポンコツや変人という場合も多く、割安と思ってもいつまでも株価が上がらない「バリュートラップ(割安のわな)」だと見抜けることもしばしば。清原氏が社長に取材する中で実際にあったトンデモエピソードの数々を紹介する。※本稿は、清原達郎『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 継続して成長を続ける企業を 見つける際のチェックポイント 長期的な成長性を見抜くにはどうしたらいいでしょうか?いくつかのポイントを示します。 1.経営者がその企業を成長させる強い意志を持っているか(必要条件) 2.社長と目標を共有する優秀な部下がいるか 3.同じ業界内の競合に押しつぶされないか 4.その会社のコアコンピテンス(強味)は成長とともにさらに強くなっていくか 5.成長によって将来のマーケットを先食いし、潜在的マーケットを縮小させていないか 6.経営者の言動が一致しているかどうか この中で圧倒的に大事なのが1.です。これだけはホームページや社長の発言などで絶対確認すべきです。ただ、社長が口で「成長します」と言っていても、どこまで本気なのかは簡単にはわからず、判断が難しいのも事実です。私も随分とたくさんの社長に会いましたが勘違いもいっぱいしました。 一番ダメだったケースを紹介すると、IT企業のニイウスです。IR担当者にアポを取ると頼んでもいないのに必ず社長が出てくるんですよ。「不思議だなあ」と思っていたら粉飾決算であっという間に倒産しました。頼んでもいないのに社長が出てくる会社には気を付けたほうがいいかもしれません。
● 社長に会ってみれば 伸びるかどうかはわかる ほかにも、あるIT企業の社長にアポを取って会いに行ったら完全にお飾りだけの30代のお坊ちゃま社長でした(オーナー経営者の言いなりってことです)。せっかくアポの時間を貰ったのですぐ帰るわけにもいかず、聞くことがないので定番の質問をしました。 「趣味は何ですか?」と。 すると、俳句だと言うんですよ。「この若さで俳句かよ」と思いましたが「いい趣味ですねえ」と一応答えました。しかし、言い方が白々しかったのか、その社長は私が帰るまで「自分は間違ったこと言ったの?俳句じゃダメなの?」とすごく気にしていましたねえ。この会社の株価も低迷し続け、最後には安値で買収されてなくなりました。 電子部品商社で強烈に割安だった会社の社長は、ビジネスの話をしてもちゃんと答えず、20分で取材は終わりました。大株主になった後に夕ご飯をご一緒したら、急に元気が出て魚の話ばかりするんですよ。「日本人は魚を食べているから頭がいい」「魚を食べないとバカになる」という話を2時間延々とし続けていましたねえ。「水を得た魚」みたいに。この会社もダメでした。