すき屋のゼンショー・小川賢太郎会長がラリアットを食らわせた、投資家からの「まさかのひと言」
あと「女性の悪口」を言いまくる社長もいて、「女は昔のことでいつまでもブチブチ文句を言う」と言うのですが、今ならESG(編集部注/Environment 環境、Social 社会、Governance 企業統治)でアウトですよ。SとG両方で。「お前こそ女性の悪口をブチブチ長々と愚痴っているだろうが」と思いましたが、この会社もさえませんでした。 ● 社長は消防団やお祭りトークばかり 典型的な「バリュートラップ」の企業 桂川電機の社長もひどかったなあ。この会社はネットキャッシュ比率がバカ高く、確か4倍ぐらいありましたかねえ。いつもスクリーニングの上位に顔を出すのですが、赤字が続いて、何年か経つうちにネットキャッシュで見ても魅力がなくなりました。 この会社の当時の社長も(とうに退任されていると思うのですが)、ビジネスの話をしようとしないのですよ。「正月明けから地元の消防団の集まりがあって」とか「去年の祭りで神輿がどうのこうの」とか、どうでもいい話ばっかりで。典型的なバリュートラップの例でしたね。 桂川電機は赤字になったので株価は低迷し続け、矛盾なく偽割安(PBRで見て)なままでした。20万株ほど浮動株がありましたが、それを我々のようなバリュー投資家が買い、あきらめて売るとそれを買うのもまた勘違いしたバリュー投資家です。そうやって20万株がバリュー投資家の間をぐるぐる回っているだけのつまらない会社でした。ユニークな社長と話していると楽しいのですが、ズッコケすぎるとやっぱり駄目です。
こんな間違いもありました。大阪の化学会社ですごく立派な社長さんに出会い、新製品も伸びそうだし「ここの株を早く買おう」と思いました。しかし、インタビューの最後に社長が「自分は現金が大嫌い。会社の価値は不動産をどれだけ持っているかで決まる」みたいなことを言うものだから、しらけて株は買わなかったのですよ。しかしその後、暴騰したのです。社長は銀行員らに洗脳されていたんですかねえ。もったいないことをしました。 ● 日本は牛丼を食べていれば 戦争に負けなかった? ユニークという意味で極めつきはゼンショーの小川賢太郎社長でしょう。そう、あの牛丼の「すき家」です。この社長はズッコケていたわけではありません。日本が誇る名経営者の一人です。ファンドが始まって間もなく上場してきたのですがまったく人気のなかった銘柄でした。PERは5倍で決算説明会に出たら出席者がたった2人だったこともあります。