将来の可能性を広げた理工系学部

加藤さんが大学受験で理系に進もうと思ったのは、高校時代に聞いた講演がきっかけでした。 「高校2年のとき、学校に外部講師の方が来て、香りの研究について話をされたことがありました。当時から文系科目より数学や物理が好きだったので、将来は理系に進みたいと考えていましたが、その出会いによって大学は化学系に進んで、華やかな化粧品会社に就職できたらいいなと思うようになりました」 大学時代を振り返って加藤さんは、「理工系学部に進学し、大学院を出てよかった」と話します。 「電気、機械工学、力学など大学院を出て高い専門性があるプロフェッショナルな人々に囲まれて意欲がかき立てられる今の環境が、私には合っていると感じます。現時点でベストだと評価される電池性能も、半年後には変わっているかもしれません。また、少し前まで電気自動車が売れていた国で売れなくなったり、また別の国では急激に売れるようになったりします。技術は日進月歩で、同じことを続けていたら取り残される業界では、常に少し先を読みながら行動をすることが求められます。そこが大変なところでもあり、刺激的に感じる部分でもあります」 理系への進学については、次のように感じています。 「もし私が文系学部に進んでいたら、環境問題解決に貢献できる仕事がしたいとか、電気自動車の開発に携わりたいなどと思った場合、大学入学からやり直す必要がありました。でも理工系学部で学んでいる途中で文系の職種に希望が変わった場合は、理工系学部のままでも問題がないことが多いです。どの業界が10年後に成長しているのか読めない時代に、安定した就職先などないように思います。その点、理工系学部なら変化に対応できるのではないでしょうか」