人生100年時代を楽しむために不可欠な「意外な資産」とは?
「アクセル」と「ブレーキ」からの様々な気づき
私たちが開発した「変身資産アセスメント」は、「心のアクセル」と「心のブレーキ」という2つの要素で構成されています。 アクセル、ブレーキという言葉の印象から、最初は「アクセルが高く、ブレーキが低い」状態が望ましいと考える人もいるのですが、決してそういった「正解探し」のためのツールではありません。 まずは自分自身の状態を知ること、そして、これからその資産をどのようにマネジメントしていこうと考えるかが、大切なポイントになります。時には、「アクセル」が変化の邪魔をしていたり、「ブレーキ」がエンジンの役目を果たしていたといった、思いもよらない「自己発見」をするケースもあるのです。 ここからは、私たちのワークショップに参加し、「心のアクセル」「心のブレーキ」と向き合ったケースを見ていきましょう。 広告代理店の営業職として仕事を続けてきたAさん(男性)は、「過度な自己犠牲」と「完璧への執着」が特に強いブレーキとして出ていました。これを見て、「これまでクライアント最優先で考えてきた姿勢がはっきり出た結果だと思います。 正直、自分が何をしたいのかとか、自分がどうしたいのかといったことは考えず、ひたすらクライアントの意向を大切にして、それをいかに実現するかだけを考えてきました。 これからは、この2つのブレーキを少しずつ手放していくことが、自分らしく生きることにつながると思います」と語ってくれました。「変身資産」を知ることで、Aさんはライフシフトのスタートラインに立てたのかもしれません。 「自己との対話」や「学びのひきだし」などのアクセルが高い一方、ブレーキでは、「対立からの逃避」と「承認欲求の目的化」が特に高く出ていたBさん(女性)は、その気づきを次のように話してくれました。 「基本的に学ぶことは大好きで、日々、内省をすることもわりと得意だと思います。このアクセルは、これからも伸ばしていきたい。一方、組織の中では、とにかく人と対立するのが嫌いで、承認欲求も強いほうだと思います。今までは、承認欲求が自分の成長エンジンだと思ってきましたが、それが強くなり過ぎていたのかもしれません」 「変身資産」を"見える化"することで、これからの人生において、それぞれの「変身資産」をどのようにマネジメントしていくかを考えるきっかけが得られるのです。 「変身資産」は、その人の基本的なキャラクターとして、なかなか変わらないものもあれば、自身を取り巻く環境や日々の意識・行動によって、意識的・無意識的にかかわらず、変化するケースもあります。 次のコメントは、定年を意識する年齢に近づいてきたメーカー勤務のCさん(男性)のもの。 「これまでのキャリアを通じて、『社会へのまなざし』『マルチリレーション』を身につけ、『年齢バイアス』『マニュアル依存』は意識的に手放してきたと思います。 これから先の人生に向けては、アクセルの中では『スモールステップ』を一番大切にしていきたい。ブレーキで気になるのは、『失敗する恐怖』。やっぱり失敗するのは怖いですが、スモールステップでリスクをコントロールしながら、小さな体験を繰り返す中で、恐怖心を超えるワクワク感を見つけていきたいですね」 これまでのキャリアを客観的に振り返り、未来に向けての方向性を考えるうえでも、「変身資産」はきっかけを与えてくれるのです。