「いざというときに」の高齢の親や家族のセーフティネットに…帰省時に挨拶しておきたい相手とは?【ケアマネジャーの助言】
親の友人や、その子ども同士でつながる
帰省の際には、親の友人やご近所さんにも手土産を持って挨拶しましょう、とお伝えしました。それには、親の交友関係を把握し、連絡先を聞いておくことが必要です。昔はみなさん、手書きの住所録や電話帳を作っていたものですが、年をとると、連絡先の管理も難しくなります。 高齢者は施設に入ったり、子どもの家で世話になったり、固定電話を解約したりと、住所や電話番号が変わる人も多いため、いざ連絡をとろうと電話をかけたら、「この番号は現在使われておりません」とメッセージが流れた、ということも。 ですので、一度きちんと、親の住所を更新してください。親から交友関係を聞き取り、改めて住所録を作りましょう。手書き、もしくはパソコンで作成してもいいですが、必ず紙に印刷して親に渡してください。少々手間がかかりますが、これは大事な恩返しです。 その際に、疎遠になっている友人には、電話番号の確認を兼ねて、子から電話をかけ、「◯◯の娘です。母が声を聞きたいと言っておりますので~」と仲立ちして、話す機会を作ってあげるのも、子の心遣い。それがきっかけで再会し、交友関係が復活することにつながります。 親が特に親しくしている近所の人とは、子もLINEなどでつながっておきましょう。親の身に何か起きたらすぐ知らせてもらう、あるいは、親と連絡がとれないときに様子を見に行ってもらう。そういう関係性を作っておくと安心です。 親の友人の子どもともつながっておくと、さらに心強いでしょう。もともと親の友人の子どもと顔見知りだったり、子ども同士も友だちだったりすれば、容易につながることができると思います。 そうじゃない場合は、帰省の際に、「あなたのお母さんには、いつもうちの母がお世話になっています」と挨拶して面識を作っておき、連絡先を交換しましょう。家族ぐるみでつながっておけば、子ども同士で情報交換ができますし、帰省のときに双方の親子一緒に食事するなど交流をより深められます。 田中克典 ケアマネジャー