「ピクニックラン」阻止し意地見せた駒大、山やエース区間で青学大に及ばず…早大ОB武井隆次さんが解説
シード権争いに見ごたえ
シード権争いの4校の最後の競り合いも見ごたえがあった。東洋大は8区の走者が途中で非常に苦しそうな表情を見せていたが、そこから脱落せずに最後まで踏ん張った。往路ではエースが故障で欠場になるなど、2区19位からのシード権獲得。すごい精神力だと思う。
最後にひとつ、感じたこと。大手町のゴールでアンカーを迎えた駒沢大、国学院大の選手たちがみんな笑顔だった。本心から笑っていたのではないのかもしれないが、「負けて笑顔なのか」と思った。悔しさを忘れたら追いつくことはできない。私の現役時代、第69回大会で総合優勝した翌年の大会で2位になり、チームは号泣した。時代が違うと言えばそれまでだが。
たけい・りゅうじ 1971年生まれ。東京・国学院久我山高で高校初の5000メートル13分台をマーク。早大時代は箱根駅伝で4年連続区間賞(1区、1区、7区、4区)、うち3度が区間新記録で、同期の花田勝彦、櫛部静二と並び「三羽がらす」と呼ばれた。卒業後はエスビー食品で2002年びわ湖毎日マラソンを2時間8分35秒で優勝。02年アジア大会男子マラソン銅メダル。引退後はエスビー食品のコーチ、監督を歴任。現在は「したまちアスリートクラブ」の監督として小、中学生を中心とした後進ランナーの指導にあたっている。