メーシーズ元従業員の経費隠し、利益拡大要因の「配送費」が対象
ミッチェル氏は21年5月、金融機関に対して利益に対する「最大の逆風」は配送費だと話していた。同氏は当時、配送費が19年同期比で利益に対しほぼ2倍の圧迫要因になっていると説明していた。人々がオンラインで買い物をするほど、配送費が膨れ上がっていたのだ。
元従業員が隠蔽した経費は、配送費全体のごく一部で、メーシーズは配送費だけでなく、全社的なコスト削減に取り組んできた。ミッチェル氏や他の経営陣が、元従業員の行動に気付いていたことを示すものはない。
ただ問題の発覚を受け、ミッチェル氏が重点を置いていた配送費をはじめ、同社の会計処理の正確性を担保する体制を巡り疑問が生じることになった。同社はミッチェル氏へのインタビューに応じなかった。
元米証券取引委員会(SEC)の会計士で、バラットコンサルティング・グループ創設者、ジム・バラット氏は今回の問題の規模や期間を踏まえ、SECが調査中か今後調査を行う可能性が高いと指摘した。
SECは「調査の可能性の有無」についてはコメントしないとした。メーシーズは外部による調査の可能性に関して一切のコメントを控えた。
原題:Macy’s Touted a Metric That Ended Up Being Juiced for Years(抜粋)
--取材協力:Nicola M. White、Erik Schatzker.
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Jeannette Neumann