電車で旅する人へ。新ガイドブック『tabitte(タビッテ)』シリーズが誕生!
地図とガイドブックで知られる昭文社が、ハンディサイズの新・国内ガイドブックシリーズ『tabitte(タビッテ)』を創刊した。コンセプトは「クルマなしでニッポンを旅する人の新ガイド」。7月1日より、全国各地のエリア20点が発売に。電車やバスで楽しむ旅に役立つ、アクセス情報の充実に徹底的にこだわった新しい視点のシリーズで、同社のガイドブック『まっぷるマガジン』『ことりっぷ』シリーズに次ぐ、ヒットを目指す。 ■観光列車・デザイン列車も続々…鉄道旅のトレンド化が背景 「若者のクルマ離れ」が叫ばれて久しいが、近年、電車やバスといった公共交通機関を利用する旅がトレンドとなりつつある。新幹線の新規路線の開業・新型車両の投入にはじまり、観光列車も続々と登場。昨年は「サンライズ出雲」(東京~出雲市)などの夜行列車、九州を回るクルーズトレイン「ななつ星in九州」といった長距離列車が話題となり、「リゾートしらかみ」(秋田~弘前・青森)や「しまかぜ」(名古屋・大阪難波~賢島)などで車窓を楽しむ旅や、九州で多様に運行しているデザイン列車も人気が高い。これまで車を使う旅が主だったという人も、お目当ての列車に乗るという目的のために旅をしたり、また乗り物に乗ることがメインイベントの旅行ツアーも増加。たとえ特別な車両でなくても、車窓を眺めながら駅弁を食べたり、旅先での計画を立てたり、友人とおしゃべりしたり、読書を楽しんだり…。列車の旅ならば、移動の時間を有効に使ったり、普段はなかなか取れないまとまった時間に贅沢に浸る楽しみも生まれる。そんな、移動も含めて旅をとことん楽しむ、というスタイルを愛する人にぴったりのガイドブックが『tabitte』シリーズなのだ。 ■「車に乗らない観光客」というエアポケットに注目 出版不況にあえぐ出版社も多い中、「新シリーズとして20冊同時発売!」という一見大胆にも思われるチャレンジに踏み切った意図について、広報担当の和田さんは語る。 「当社は道路地図『スーパーマップル』を出版している会社でもあり、旅行ガイドブックにおいても車を使うことをある程度“あたりまえ”のこととして制作してきました。ただ今回の『tabitte』の企画を構想した段階で“車に乗らずに旅する人”向けのガイドブックというジャンルが、当社のラインアップの中でぽっかり空いていることに気づいたんです」。 つまり「全く新しいジャンルに挑戦する」というよりは、「今まで応えられなかった読者のニーズに応えていく」。本シリーズの創刊は、そんなエアポケットのようになっていたニーズを自ら発見したうえでの、自然な成り行きだったという。 ■“これ一冊で列車旅ができる”仕掛けがぎっしり! とはいえ、「公共交通機関をフル活用する旅」となるとやはり事前の下調べや準備が必須だ。複雑な乗り換えがあったり、一日に数本しかないバスに乗ったり…面倒に感じる人もいるだろう。それでもそんな旅を楽しみたいという人を、強力にサポートするガイドブックを!という思いから、『tabitte』には観光情報はもとよりアクセスに関する情報があの手この手で詰まっている。まず、表紙と裏表紙の折り返し部分には「運行スケジュールMAP」「鉄道路線図」(都市部版ではバス情報や駅構内情報などの場合も)を掲載。これ一冊で快適な鉄道旅ができるよう、時刻表の便利な情報を視覚的に図化している。また本文内では、主要エリア間のアクセス手段と移動時間と料金が一目でわかる「アクセス早見表」や最新の時刻表を調べるのに便利な二次元バーコードを掲載。スマホとの連携でさらに使いやすさが向上する仕組みに。また街歩きに使う地図には駅、主要地点からの距離を図示し、ユーザビリティに徹底してこだわっている。