4102万桁の最大素数を発見、6年前の記録を1600万桁も更新…半導体大手の元従業員がPC数千台で計算
1とその数自身でしか割り切れない自然数の「素数」を探索する有志の研究者らが参加する国際プロジェクトが、史上最大の素数を発見したと発表した。約4102万桁あり、6年前に見つかったこれまでの最大数よりも1600万桁以上多いという。
見つかった最大の素数は、2の1億3627万9841乗から1を引いた数。世界中のコンピューターをつないで素数を探る「グレート・インターネット・メルセンヌ素数探索(GIMPS)」計画の中で判明した。
素数は「2」「3」「5」「7」「11」などと無限に存在することがわかっているが、規則性がなく、大きな素数を見つけるのは難しい。最大の素数は、計画に参加する半導体大手エヌビディアの元従業員ルーク・デュラント氏が、高性能な画像処理半導体「GPU」を搭載した数千台のコンピューターをつなぎ、膨大な計算を行うことで発見した。
2を何回か掛けた数から1を引いた形の素数は、考案したフランスの学者の名前から「メルセンヌ素数」と呼ばれ、今回の発見で52個目。GIMPSは2018年にも、当時の記録で最大の素数を見つけていた。
神戸大の森井昌克・名誉教授(情報通信工学)の話「すべての数は素数の組み合わせで作られる。最大の素数の発見は、素数の種類や性質をひもとき、数学を発展させることにつながる」