石破総理は「トランプの犬になる」…”非現実な安保観”に苦笑い「石破には無理だ、安倍のようには信頼関係築けない」もしトラシナリオ
石破は安倍のようにトランプと関係をつくれるのか
第1次トランプ政権で日本が強固な同盟関係を維持・発展できたのは、安倍晋三首相が個人的な信頼関係を構築していた点が大きい。安倍氏はトランプ氏を時に励まし、時に諫める関係を構築し、その意味でも国際社会で日本の存在感をみせつけた。ただ、キャラクターも安保観も異なる石破首相が同じような関係を築けるかと言えば、答えは「NO」だろう。 石破首相は11月後半に渡米し、どちらの候補が勝利した場合でも次期大統領との会談を検討している。とはいえ、現実的に物事を調整・解決する能力に長けた安倍氏に対し、理論先行で真正面から提案していく石破氏のスタイルには日米両政府に懸念もある。仮に次期大統領と会談したところで、日米地位協定の見直しやアジア版NATO構想への不安は払拭できないはずだ。ハリス大統領となれば現状維持で済むかもしれないが、トランプ氏が勝利すれば対中国政策でさらなる行動を求められる可能性は決して低くない。 新大統領の経済政策も日本に大きく影響する。ハリス氏が次期大統領になればバイデン政権を継承する見通しのため、日本としては米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースを見極めながら政府・日本銀行が利上げしていくスケジュールとなる。このケースでは日米金利差が縮小し、為替は円高に振れていくはずだ。だが、トランプ氏の場合は法人税減税や規制緩和といった政策を推進し、インフレ懸念の再燃から為替は円安・ドル高を招く可能性がある。
日本経済への影響は極めて大きい
加えて、トランプ氏はターゲットにする中国からの輸入品に高関税を課す意向を重ねて示している。それ以外の国の輸入品にも一律10~20%の関税をかける計画で、それらが実現することになれば日本経済への影響は極めて大きい。中国経済が急減速すれば最大の輸出相手国の日本は大打撃を受けるだろう。 石破首相が率いる自民党は10月末の衆院選で惨敗し、公明党との連立与党でも過半数を下回った。議席を4倍増にした国民民主党と連携する道を模索するが、不安定な政権運営を余儀なくされている。その中で国際情勢に大きな影響を与える米大統領選を迎え、日本政府内には「大きな転換や強力な政策推進が難しい中、激動の時代に日本が対応していくことができるのか不安しかない」(外務省幹部)などの声が充満する。 ある閣僚経験者は日本の現状をこのように表現した。「世界で外交や安全保障、経済、環境対策をどうするのか主体的に議論し、自国の存在感を高めるために競い合っている中、日本は『裏金問題』を最大の争点に総選挙をしていたことは本当に恥ずかしい。これからの日本は主体的に何も決められない“暗黒の時代”を迎えるのかもな」。
佐藤健太
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