加齢性難聴を改善 専門医が考案5つの体操とマッサージ方法
耳の老化を遅らせる5つの体操&マッサージ
坂田医師が考案した加齢性難聴対策に効果が期待できる5つの体操をご紹介。
【1】<しこ踏み体操>耳石の衰えが回復
※<1>~<3>の動きを左右5回(1セット)を朝と晩に行う。 <1>力士の「しこ踏み」のように両足を大きく開く <2>片足を上げ、もう片方の足に重心をかける。足を上げたまま2秒キープ <3>上げた足を下ろし、骨盤を立てた状態でゆっくり腰を下ろす <ポイント> 「体や頭を傾かせることで内耳全体に刺激を与えて血流とともに活性化させることが狙いです」 ポイントは力士のように両足を大きく開くこと。足を下ろす際は、骨盤を立てた状態で行なうことが大切だ。
【2】<タオル踏み>血液とリンパの流れを促進
※片足50回ずつ足踏みを朝と晩に行う。 タオルに2つの結び目を作り、床に横向きに置く。結び目に足の裏が当たるように踏む <ポイント> 足腰に不安がある人にはタオルを踏むのが良いと坂田医師は言う。 「前庭脊髄反射(※)の仕組みを利用して耳を刺激する方法で、足裏からの刺激を脊髄神経を通じて内耳に届けることができます」 ※姿勢を調整しようとする反応
【3】<耳つぼマッサージ>つぼの刺激で聞こえを改善
<1>両手で耳全体を包み込むように30秒間マッサージ <2>人差し指の腹を使い、「耳珠(じじゅ)」を3秒間×3回押す <3>親指と人差し指で「翳風(耳たぶ)」を3秒間×3回つまむ <4>耳の上部にある「神門(しんもん)」を親指と人差し指でつまみ、親指の腹で3秒間×3回押す <ポイント> 耳周辺を指などでマッサージし、聞き取る力を改善する。 「神門(しんもん)、翳風(えいふう)、耳珠(じじゅ)の3つのツボが有効です(イラスト参照)。人差し指や親指の腹を使い、優しくマッサージすることを意識してください。まずは耳全体を30秒間マッサージし、3つのツボに移ります」
【4】<顎関節トレーニング>咀嚼筋(そしゃくきん)をほぐし聞こえを改善
※<1>~<3>の動きを20回(1セット)。1日5セット行う <1>こめかみに人差し指と中指を当て、奥歯を噛みしめ「イー」と口を横に広げる <2>「イー」の口で顎を前に突き出す(下の歯が前に出るように) <3>「アー」と口を大きく開ける <ポイント> 物を噛む時に使用する咀嚼筋(そしゃくきん)をほぐすことも血行を促進させ、聞き取る力が改善するという。 「『イー』と『アー』の口の形が基本です。『イー』の際は奥歯を噛みしめる、『アー』の際は大きく口を開けることを意識しましょう」
【5】<耳裏ほぐし>血液のリンパの流れを促進
耳の裏を両手で優しくなでるように1分間ほぐす <ポイント> 耳周辺の血液とリンパ液の流れを促進する。 「両手で優しくなでるようにほぐしていきます。くれぐれも強い力で押さないように注意しましょう」 イラスト/河南好美 写真/PIXTA ※週刊ポスト2024年11月29日号