田中陽翔、箱山遥人、石垣元気（いずれも健大高崎）

　センバツ覇者の健大高崎は開幕日から初戦に登場し、2年連続出場の英明（香川）と対戦する。 【一覧】健大高崎の今大会のベンチ入りメンバーと各野手の通算本塁打数 　今年は群馬大会直後にダブルエースの一角である佐藤 龍月投手（2年）が左ヒジの怪我によりベンチ外となった。群馬大会から佐藤含めて2人メンバーを入れ替え、そして開幕前日に1人メンバー変更を行った。今回は懸念材料の投手陣の顔ぶれを紹介しつつ、センバツから大きく強化された打線のキーマンも紹介したい。 【投手】 　153キロ右腕・石垣 元気投手（2年）は、群馬大会の決勝戦で最速153キロ・平均球速146.32キロと、高校生トップクラスのスピードボールを投げ込んだ。センバツ時の取材では、「高校生のうちに先発として平均球速145キロを超えたいです」という目標を掲げていたが、早くもこの夏で達成した。次なる目標は甲子園で155キロを計測することだ。背番号1をつけて臨む夏の甲子園では先発として快投を見せたい。 　春季大会から大きく伸びた大型左腕・下重 賢慎投手（2年）は常時130キロ台後半の速球、スライダー、チェンジアップを丁寧に投げ分け、群馬大会の藤岡北戦では10連続三振を記録した。甲子園でも重要な場面での登板が増えそうだ。 仲本 暖投手（3年）は140キロ前後の速球、スライダー、カーブを投げわける右投手。状況によってはサイド、アンダースローで投げることもあり、千手観音投法とも呼ばれている。 　センバツでもベンチ入りした杉山 優哉 投手（3年）は左オーバーから130キロ台後半の速球、スライダー、カーブを丁寧に投げ分け試合を作る好左腕だ。そしてメンバー変更でベンチ入りした高木 壮磨投手（3年）は春季関東大会で登板経験のある技巧派左腕。120キロ台後半の速球、カーブ、チェンジアップを駆使して抑える。夏の群馬大会では記録員としてベンチ入りしていた。今大会は5人で臨むことになる。 【野手】 　野手では超高校級捕手・箱山 遥人捕手（3年）が大きく成長。打率.563、2本塁打、12打点はチームの三冠王。箱山は「主将としてチームをまとめることと、プロに行くために結果を残す。その両立が大変でしたが、チームのために打つことが自分のパフォーマンスを残せる事に気づいた」と語るように、大事な場面での一打が光った。速球投手に対しても怯むこと無く自分の打撃ができる対応力の高さは必見だ。 　強打の遊撃手・田中 陽翔内野手（3年）は思い切りの良さを出すために1番打者に。群馬大会でも本塁打を放ち、打率.435、2本塁打、6打点と結果を残した。田中は「関東大会で本塁打を打ったのですが、そこで新基準バットではどう打てば打球が飛ぶのか気付いた」と手応えを実感している。そして出塁率が高く、俊足の加藤 大成内野手（2年）が2番に入り、群馬大会では打率.533を記録し、3番髙山 裕次郎内野手（3年）、4番箱山で還すパターンを確立させた。 　長打力のある打者は多く、レギュラーは高校通算35本塁打の箱山を筆頭に高校通算10本塁打以上の打者は10人もいる。群馬大会では7本塁打を記録し、出場校トップの数字。甲子園でも強打を発揮できそうだ。

昨年の慶應義塾のようなパターンで優勝を

　健大高崎が甲子園優勝するには昨夏の慶應義塾のように強打で圧倒することだろう。慶應義塾は5試合で32得点を記録。投手に負担をかけるような試合は少なかった。石垣以外の投手は経験値の面で不安があるだけに打線が援護し、大会を重ねる中で投手陣が自信をつけて、投打ともに成熟したチームになることが理想だ。