輪島功一氏の孫・磯谷広太、プロデビュー戦で判定勝ち 兄の大心はユース王座獲得で日本ランク入り
プロボクシングの65キロ契約4回戦が10日、東京・後楽園ホールで行われた。元WBA、WBC世界スーパーウエルター級王者の輪島功一氏(81)の孫、磯谷広太(17)=輪島功一スポーツ=が藤原蓮(26)=黒潮=に2-0の4回判定勝ち。祖父が会場で応援する中、プロデビュー戦を白星で飾った。兄の磯谷大心(23)=輪島功一スポーツ=は日本ユース・ウエルター級王座決定戦で、加藤大河(21)=DANGAN越谷=に2-0の8回判定勝ち。初タイトルを獲得し、日本ランク入りを決めた。 広太は2回に連打を浴びせ、3回には右フックでぐらつかせた。藤原の強打はクリンチで遮断。デビュー戦とは思えない冷静な闘いを見せ「比較的足は動いたし、集中して(試合に)入れた。まだあんまり(勝利の)実感はない」と笑顔だった。 輪島氏の長女・大子(ひろこ)さんの三男。2021年10月にプロデビューした兄・大心に続き、「炎の男」と呼ばれた輪島氏のDNAを受け継ぐ男がまた一人、プロのリングで勝利を手にした。来年は祖父と同じ全日本新人王の獲得を目指す。 大心は試合を終えた広太に「見本を見せてやる」と言って初のタイトル戦に臨んだ。序盤は両者が距離を取って慎重に試合に入ったが、4回終了後の公開採点で38-38、39-37、39-37と大心がリードすると、6回からは加藤が積極的に右の強打を放つ。試合は一気にヒートアップし、7回に大心が鼻血を出し、加藤は大心のパンチで右目上をカットした。 両者が流血する激戦となったが、決定打を奪えずに広太と同じ2-0で辛勝。「素直にこのベルトを取れたことはうれしいんですけど、弟とまったく同じ結果になってしまった。合わせる顔がないです」と苦笑いした。元プロボクサーで輪島功一スポーツジムトレーナーの父・和広氏(47)は「しょうもない試合をしやがって」と苦言を呈していた。 興行は動画配信サービスのFODプレミアムで生配信された。広太のアマチュア戦績は17戦11勝(6RSC)6敗。プロ戦績は藤原が5戦3勝(2KO)2敗、大心が11戦8勝(5KO)3敗、加藤が9戦6勝(2KO)3敗となった。(尾﨑陽介)