韓国の20~30代が変わった…就活生の80%「ブルーカラー忌避しない」(2)
現在ホワイトカラー職で働いているアンケート回答者のうち35.5%はブルーカラー職への転職に「肯定的」と明らかにした。広告代理店でマーケット職として働くキムさん(38)は「人工知能(AI)が私の現在の仕事を脅かしているようで最近は人間だけができるブルーカラー業種への転職を真剣に考えて調べている」と明らかにした。市場分析会社のIDCは「2027年までに日常的なマーケティング業務の30%を生成型AIが代替するだろう」と予想する。 20~30代がブルーカラーに目を向ける現象はブルーカラー職の就職率上昇傾向につながる。韓国統計庁のマイクロデータを分析した結果、4年制大学卒以上の学歴で39歳以下の就業者のうち、単純労務従事者が占める割合は2014年の年平均1.52%から2023年には2.57%に上昇した。同じ期間に高熟練ブルーカラー中心である技能員と関連技能従事者の割合は2.34%から2.77%に上がった。統計庁のソン・ジュンへン雇用統計課長は「10年間の産業構造の変化にともなう影響も考慮しなければならない」と話した。例えば2020年のコロナ禍を受け配達代行産業などが急成長した結果、ブルーカラーの雇用供給が需要を創出した面もあるという話だ。 海外では若い層のブルーカラー人気がさらに目立つ。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは昨年、「米国で大学進学の代わりに技術職を選択するZ世代(1990年代中盤から2010年代初めに生まれた世代)が増加している」と報道した。その上で彼らに「ツールベルト世代」と名前を付けた。ツールベルト世代は「高い大学の学費を考慮すれば大学進学後にホワイトカラーとして働くより高校卒業後にブルーカラーとして働く方が生涯全体的に利益が大きい」と判断するとみられる。 今後韓国も青年のブルーカラー人気が高まる可能性が大きい(オ・ゲテク韓国労働研究院選任研究委員)は見通しが出ている。低成長定着に企業の雇用創出能力低下、AI拡散などがかみ合わさり良質のホワイトカラー雇用が次第に減ると予測されるためだ。これは若い層が非自発的にブルーカラーに集まるようにする要因だ。これに対しブルーカラー雇用は若い層をさらに引き寄せられると分析される。少子化にともなう生産可能人口減少と高齢化により若いブルーカラー労働者に対する需要が拡大し賃金がさらに上がるという判断からだ。 高麗(コリョ)大学法学専門大学院のパク・チスン教授は「賃金が低い低熟練ブルーカラー職は外国人労働者が占め、高賃金の高熟練ブルーカラー職には韓国人の若い層が集まるものとみられる」と予想した。