長男に続き二男も同じ難病フェニルケトン尿症に。一生続く治療と食事制限。かわいそうではなく、頑張っている子どもたちを応援してほしい【体験談】
生まれつきフェニルアラニンというアミノ酸の代謝がうまくいかず体内に蓄積され、それによってさまざまな症状が現れる病気「フェニルケトン尿症(略称:PKU)」。国の指定難病に定められていて、約8万人の出生に対し1人の割合で発見されるとてもまれな病気です。 【画像】子どもたちの笑顔のために食事制限の中での試行錯誤は続く 2人のお子さんがフェニルケトン尿症と診断され、親の会で広報活動もしている村山ひとみさんの育児の様子を2回に渡って紹介するインタビューの後編。育児や成長した長男の食事管理、幼稚園生活、PKU親の会の活動やフェニルケトン尿症について知ってほしいことを聞きました。 ※フェニルケトン尿症…食品のタンパク質に含まれるフェニルアラニンというアミノ酸の代謝がうまく働かず、体内に蓄積されることで精神発達の障害や髪の毛、皮膚の色が薄くなるなどの症状を引き起こす先天性の病気。国の指定難病に定められている。 参考:難病情報センターホームページ「フェニルケトン尿症」
大学病院を受診したときの「出産おめでとう」がうれしかった
2人目を出産し、新生児マススクリーニングの結果、二男も上の子と同じ病気とわかったひとみさん。幸せに育ててみせるという決意あっての妊娠、出産でしたが、検査結果にはショックもあったそう。 「いざ、2人目も…といわれると、やはりモヤモヤ悩んだりして…。でも、検査のために入院したときの主治医の先生の第一声が『出産おめでとう!』だったんですよ。それがすごくうれしくて。そうだよな、おめでとうでいいんだ、と思ったら、あらためて覚悟が決まりました」(ひとみさん) 入院することも前提に、ひとみさんの夫は3カ月の育休をとって準備。すでに生活上の注意点は心得ていることから、長男のときと比べ入院期間も短くすみ、家族4人の生活が始まりました。 「上の子と比べて、治療用ミルクの飲み具合はいまいちで。食の好みにも個性があるのを感じました。下の子は今、食べるのが大好き。上の子よりも食の興味が強いので、タンパク質の味をおぼえさせないようにするのが大変ですね。 それでも、きょうだい同じように治療用ミルク、タンパク質制限の食事を考えることができるのは、よかったのかもしれません。タンパク質の少ないおかしをお互いにつまみ食いし合っている姿は、本当にかわいいです」(ひとみさん)
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