話題の<103万円の壁>「年金とパート収入で生活する70代女性」シニア世代への影響は?今さら聞けないお金の話題をFPが丁寧に解説
会社が独自で設定している「年収の壁」もある
会社によっては独自に配偶者手当や家族手当などを支給している場合もあり、103万円を超えてしまうと支給されないというケースも。こうしたことから「年収103万円以内に抑える」働き方を選んでいる人も少なくないでしょう。 ※厚生労働省 企業の配偶者手当の在り方の検討 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/haigusha.html
【2】103万円の壁/扶養控除の対象から外れて収入が減る
一方、この「103万円の壁」の議論には、配偶者やお子さん、老親などを扶養している場合の「扶養控除」の問題も含まれています。 扶養控除は、その対象者によって控除額が異なります。 たとえば、パートやアルバイトをする大学生の子どもは、「特定扶養親族」(その年12月31日現在の年齢が19才以上23才未満)にあたり、扶養控除の要件の一つである合計所得48万円以下(給与収入103万円以下)となり、63万円の扶養控除が受けられます。 つまり「103万円の壁」を超えると、親は控除が適用されなくなり、税負担が増えて手取りが減ってしまいます。 なお、扶養している高齢の親は「老人扶養親族」(その年12月31日現在の年齢が70才以上)にあたり、扶養控除額は、同居58万円、別居48万円となります。 ※参考 国税庁 No.1180 扶養控除
まだある!「106万円の壁」「130万円の壁」
税金や扶養控除の「壁」に加え、「106万円の壁」「130万円の壁」といった「社会保険の壁」もあります。 パートやアルバイトで働いている人でも、勤務先の規模など一定の要件によって年収約106万円に達すると社会保険に加入しなければなりません。 また、年収130万円以上になると勤務先の規模などに関係なく社会保険に加入する義務が発生します。 つまり、「106万円の壁」「130万円の壁」は自分で社会保険料を支払うため手取りが減ってしまうことを指しています。社会保険料を支払うことで手取り額は減ってしまいますが、将来の年金額は増えることになります。