5年住んだ賃貸マンションの退去時に「畳を交換してくださいね」と言われてしまいました。修繕費はいくらかかりますか?
賃貸住宅の場合、退去する際に修繕費および原状回復の費用が発生する可能性があります。畳の交換費用は、退去時に請求されることがある費用のひとつです。 本記事では、畳の交換にかかる修繕費の相場や、交換費用の負担義務、交換が必要になる理由、退去時の敷金返却などについてまとめました。 ▼アパートの1階と2階で「家賃」はどれだけ変わる? 1階暮らしのメリット・デメリットも紹介
畳の交換費用の相場は?
日常生活において、家具の重みや足が踏む回数、湿気や汚れなどで畳が劣化することは避けられません。色あせやほころびが目立つ畳は交換が必要です。 畳の表替え(畳表のみを新品に交換)の相場は、1畳当たり4000円~1万3000円程度といわれています。仮に6畳の部屋ですべて表替えするのであれば、合計で2万4000円~7万8000円ほどかかる計算です。 また、裏返し(畳床から劣化した畳表を剥がし裏返してきれいな部分を表にする)の場合は、1畳当たり4000円~9000円程度が相場とされています。なお、これらの費用は地域や業者によって異なるため、参考価格としてください。
賃貸住宅の原状回復義務とは
賃貸住宅には「原状回復義務」があります。原状回復とは、賃貸住宅を退去する際、借りていた部屋を入居時の状態に戻すことです。 国土交通省住宅局の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、「次の入居者を確保する目的で行う設備の交換、化粧直しなどのリフォームについては、経年変化及び通常使用による損耗等の修繕であり、賃貸人が負担すべき」とあります。 つまり、故意ではなく、普通に使用している中で発生した損傷や劣化については、修繕費は貸主側が負担するということです。 畳の汚れや傷については、賃貸借契約や物件の管理規約によって異なりますが、一般的には、通常の使用による軽い汚れや小さなシミ、小さな傷や擦り傷、日焼けによる色あせや変色(程度がひどくないもの)は許容されることが多いと考えられるでしょう。 一方、退去時に費用を請求される可能性があるのは、以下のようなケースです。 ・畳に深い傷や大きな摩耗がある ・通常の清掃では落ちない、ひどいシミや汚れがある ・カビが生えたり、虫が発生したりしている ・日焼けや色落ちが著しい ・畳の不適切な使用(家具の移動や重い物の置き方など)により、損傷している また、入居期間や契約条件などによっても、費用負担を求められることがあります。例えば、入居期間に応じて負担割合が定められている場合や、契約時に畳交換の費用負担についての特約がある場合は、それに従う必要があるでしょう。 いずれの場合も退去前には契約書をよく確認し、不明な点は早めに家主や管理会社に確認することが大切です。