サンドウィッチマンが惜しむ池袋のアンテナショップ 日本橋で存続へ
東京・池袋にある宮城県のアンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」について、県は12月15日に閉店すると発表した。店舗の賃貸借契約が来年2月末までで、更新しないことが決定していた。 【動画】サンドウィッチマンの地元・仙台では「伝説の書店」が閉店。「週刊少年ジャンプ漫画家一同」から巨大な花輪も届いた最後の一日に密着 宮城ふるさとプラザは2005年7月に開店。雑居ビルの1、2階合わせて約410平方メートルの広さで、約2千品目の県産品を販売。厚切り牛タンの専門店が入った飲食コーナーもある。観光情報も発信し、首都圏に「食材王国みやぎ」をアピールする拠点となっていた。 2011年度は東日本大震災の被災地支援の輪が広がったことで、来店者は過去最多の年90万人を記録。昨年度も年65万7千人が訪れ、売り上げも22年度には約5.1億円あった。 ただ、1カ月の賃料などは1千万円を超え、それとは別に運営委託費も年間1300万円かかっていた。また、オンラインなど購入・販売方法の多様化や、首都圏以外での顧客開拓の必要性もあると県は判断。昨年12月に、店舗の契約を更新しないことを決めた。 村井嘉浩知事は閉店に関し「費用対効果を考えなければならない。毎年1億円以上の予算を投じているので、別に振り分けるほうが効果が大きい」と話していた。 一方で、閉店発表直後には共に仙台市出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんが自身のラジオ番組で「ショックだよ」と心境を明かし、「誰もやんねえなら、俺やろうかな。一緒にやりましょう」と呼びかけ話題となった。また、宮城ふるさとプラザにも存続を訴える声が多く届けられていたという。 そのため、運営を委託されていた公益社団法人の県物産振興協会は、独自の存続を模索していた。来年1月に東京・日本橋茅場町に後継店を開店することを、15日に発表したばかりだった。 同協会の横田清志・常務理事は「県も色々な事情があり仕方ないが、売り上げも大きい12月に閉店するのは残念としか言いようがない」と肩を落とした。「他県を見ても県が直接関わらない店舗はないが、次のステップで県内の生産者と首都圏のお客様を今後もつなげていきたい」と前を向いた。(福留庸友)
朝日新聞社