「飲み込みやすい介護食」とは? 食材・形態から市販の介護食の選び方まで【介護福祉士解説】
お家で作る介護食はどんなものがよいのか、一度は悩んだことがあるという方は多くいらっしゃいます。また、突然食べる量が減る、むせるなどが増えた場合は、食事形態が合っていない可能性があります。そこで今回は、高齢者が飲み込みやすい介護食や注意点について介護福祉士の青木さんに解説していただきました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
介護食とは? どんな形態の食事がある?
編集部: そもそも介護食とはどのような食事でしょうか? 青木さん: 介護食とは、介護が必要な方向けの食事のことです。加齢や病気により「噛む力」や「飲み込む力」が弱くなった方でも食べやすい硬さ・形状に工夫されています。 編集部: 介護食には種類がありますか? 青木さん: 介護食は食べる方の噛む力や飲み込む力に合わせて、硬さや形状、食材の大きさなどを変更します。介護食の種類は、主に刻み食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食の4種類です。 ・刻み食 1cmや5mmなどのように、食材を細かく刻んだ食事のこと。噛む力が弱く、飲み込む力に問題がない方に向いている ・ソフト食 食材を舌でつぶせるほどやわらかく調理した食事のこと。噛む力・飲み込む力ともに弱い方に向いている ・ミキサー食 食材をミキサーにかけてペースト状にした食事のこと。場合によっては、食事にトロミを付けて誤嚥を防止する。噛む力・飲み込む力が著しく弱い方に向いている ・ゼリー食 食材をミキサーにかけてポタージュ状にしたものを、さらにゼラチンや寒天で固めてゼリー状にした食事のこと。噛む力がない方に向いている 編集部: 市販の介護食を選ぶ基準はありますか? 青木さん: 市販の介護食を選ぶ際は、「ユニバーサルデザインフード」や「スマイルケア食」を参考にしてください。 編集部: 「ユニバーサルデザインフード」とは何ですか? 青木さん: 日本介護食品協議会が定めた介護食の基準です。介護食を「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4つに分類し、噛む力・飲み込む力を参考に選択できます。 編集部: では、「スマイルケア食」とは何ですか? 青木さん: 農林水産省が提案する基準で、介護食を青・黄・赤の3色で分類します。 青:噛む力・飲み込む力に問題がないものの、栄養補給を必要とする方向け 黄:噛む力に問題がある方向け 赤:飲み込む力に問題がある方向け