会社で「5分前行動」と言われ、朝は5分前から始業します。終業は「定時」か「残業」になるのですが、残業代は出ないのでしょうか…?
日本では、さまざまなシーンで「5分前行動」を求められることがあります。 しかし、会社から「5分前行動」を強制されて、始業時間よりも5分早く仕事を始めることは、法的に認められることなのでしょうか。 「5分前から始業しても、終業は定時、または残業をすることもある」となると、納得のいかない労働者もいるでしょう。 本記事では、労働時間と休憩時間の定義や、5分前から始業した場合の残業代について詳しくご紹介します。
労働時間と休憩時間の定義とは?
厚生労働省によると、労働時間の上限は「1日8時間」「1週間40時間」と定められています。 また、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が与えられなければなりません。 会社がこの時間を超えて従業員に労働させた場合は、36協定を締結したうえで、時間外労働に対する残業代を支払うことになっています。 ここでいう「休憩時間」とは、完全に労働から離れられる時間のことであり、上司などの指揮命令下にある場合は、休憩時間に該当しないと考えられます。
「5分前から始業」した場合、残業代は発生するのか?
「5分前から始業するように」と会社から指示されているのであれば、その5分間は「労働時間」に含まれると考えられるでしょう。 就業規則に記されている場合や、その5分間に朝礼やミーティングなどが行われる場合はもちろんのこと、直接的な指示がなくても、次のようなケースであれば、5分前からの始業が「強制されている」と判断できる可能性があります。 ●5分前から始業することが、その会社では当たり前になっている ●5分前から始業できなかったときに注意されたり、評価に影響したりする 「労働時間」に含まれるのであれば、早く始業した分の賃金が支払われなければなりません。 そうではなく「道が混むので早めに出勤している」「気持ちに余裕が欲しいので早めに準備を始めたい」など、自分の意思で5分前から席についている場合だと「会社からの強制」ではないとみなされ「労働時間」には含まれない可能性が高いでしょう。