トランプ前大統領の銃撃犯、弾薬50発所持、車には自家製爆弾まで
「警護失敗」の情況も続々と明らかに
ドナルド・トランプ前大統領襲撃事件以後、彼の警護を担当した「大統領警護隊(シークレットサービス)」が警護に失敗した情況が続々と明らかになり、批判が高まっている。野外演説現場の演壇から約150メートル離れた建物の屋上に暗殺犯がどのように接近できたのか、事前にそのような行動を防ぐことはできなかったのかなど、疑念が解消されていない。 米ペンシルベニア州ピッツバーグ地域放送の「WPXI」は15日(現地時間)、現場にいた救急隊員が銃撃26分前、銃撃容疑者であるトーマス・マシュー・クルックスの不審な行動を確認して通報したと報道した。ただし、この通報がシークレットサービスに適時に伝えられたかどうかは確認されていない。これに先立ち、銃撃直前に現地警察とクルックスが出くわしたが、彼に銃を向けられ、身をかわすしかなかったというバトラー郡の保安官の証言まで合わせると、少なくとも2回以上犯行を阻止することができたにもかかわらず、対応できなかったわけだ。 シークレットサービスは3日、州警察、タウンシップ警察などと共に警護関連会議を開いており、クルックスがよじ登った建物の捜索は地域警察が担当したと明らかにした。この過程でのずさんな対処が犯行につながったという指摘もある。アレハンドロ・マヨルカス米国土安保長官はこの日、CNNとのインタビューで「このような事件は起きてはならない」とし「失敗」だったと認めた。シークレットサービスのキンバリー・チートル長官もABC放送に「すべての責任は私にある」とし、「このような事件は絶対に起きてはならなかった」と述べた。 米連邦捜査局(FBI)が捜査を進めている中、CNNは司法当局関係者の発言として、容疑者のクルックスが事件発生前日、自宅近くの射撃場で父親とともに射撃練習を行い、犯行当日の朝には弾薬50発とはしごなどを購入した事実が明らかになったと報じた。また、事件現場の近くにあった彼の車に自家製爆発物が設置されており、彼が犯行当時、遠隔起爆装置を持っていたことが確認された。CNNによると、FBIはクルックスの携帯電話やパソコンなどを押収し、犯行の動機を確認しているが、これといった政治的・理念的手がかりは見つかっていない。 連邦議会も聴聞会などを開いて追及する方針だ。下院の政府監視委員会は22日、チートル長官を呼び現場の状況について尋ねることにした。CNNの報道によると、下院の国土安保委員会もシークレットサービスに演説現場のセキュリティ計画書を提出するよう要請したという。 キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )