【専門家・体験談】学習障害(LD)とは? 保護者はどうサポートする?
教科書を音読する、文字を正しく書く、計算をする……。 勉強がまったくできないわけではないのに、同い年の子どもたちができることが、なぜか極端に苦手、という子どもたちがいます。 保護者のかたからするとつい「この教科は嫌いなんだな」「正確に読み書きできないのは、大ざっぱな性格のせいだろう」などと思ってしまいがちですが、もしかしたら特定の分野に学びにくさを抱えたLD(Learning Disabilities)が、その背景にあるかもしれません。 ここでは、LDのお子さまによく見られる特性や、自宅や学校でのサポート方法についてお伝えします。 またLDのお子さまがいるご家庭での学習上での工夫もお伝えしますので、ぜひご活用ください。
「LD」とは何か?
学習障害(LD)とは、知的発達に遅れはないのに、言葉の読み書きや計算など、特定の分野で困難を示す障害です。 さまざまなパターンがありますが、たとえば「話はよく理解しているのにノートが書けない」「漢字のへんとつくりを逆に書いてしまう」など、得意と苦手に著しくかたよりがあるのが特徴です。 LDのお子さまは、勉強がまったくできないわけではなくできることも多いため、「怠けている」と誤解を受けやすい面があります。 LDの原因は脳の情報処理機能の障害であり、本人の努力とはまったく関係ありません。 しかし保護者や先生から誤解され、「努力が足りない」「やる気がない」などと叱られることで、本当に学習への意欲を失ってしまうケースもあります。 またお子さま自身も「みんなはできることが、なぜ自分は頑張ってもできないんだろう」と劣等感を抱えてしまう場合も少なくありません。 しかしその子の困りごとを緩和しつつ、学習効果を上げることは十分に可能です。 そのためには、専門家や学校の先生の力を借りながら、その子に合った適切なサポート方法を早めに見つけていきましょう。
LDの特徴と診断までの流れ
LDには以下のような特徴があります。 【LDに見られる特徴】 ・文字や行の読み飛ばしが多い ・文章を不自然なところで区切って読む ・文字を正しく書けない ・文法的に正しい文章が書けない ・かんたんな計算ができない、または遅い ・作業が極端に遅く、授業についていけない このような特徴が見られ、学年が上がってもなかなか改善されない場合、まずは学校の担任の先生やスクールカウンセラー、地域の教育相談窓口などに相談してみて、お子さまの状態を第三者も含めて理解していきましょう。 LDのお子さまの場合、自治体あるいは医療機関等で読み書き能力の検査を行います。 必要があれば知能検査の一種である「WISC」を行うこともあります。まずはこの検査で特性をつかんで、主に学校での学習上での配慮や特性に合わせた教材使用などによる支援をしていきます。 受診をする場合には、LDの診断を受けられる小児神経科、児童精神科などになることが多いでしょう。 いずれにしても保護者のかたが一人で判断して抱え込まず、必ず第三者による専門的な観点から見てもらうことが大切です。