B3でプロ生活をスタートも2年後にB1で躍動、高速ドライブで名古屋Dの起爆剤となる加藤嵩都「スピードは一番自信があります」
富樫勇樹とのマッチアップ「中学校、高校で富樫さんをSNSのアイコンにしていました」
「チームは苦しい状況ですが、一歩一歩、毎試合、課題に向かってちょっとずつ良くなっている手応えを感じていますし、ヘッドコーチの求めていることを遂行するだけです。個人としてもヘッドコーチの求めることをやりつつ、試合を重ねていくにつれて、自分の武器を出せる余裕が出てきたなと感じています」 このように加藤はチーム、自身の現在地を語る。そして、持ち味のスピードについて「常に切り込みたい。スピードは一番自信があるので、いつでもチャンスがあればアタックはしたいです」と意欲を見せる。 ただ、彼は同時に司令塔たるもの自身の強みを常に押し出すだけではいけないことを理解している。「ポイントガードとしてまずやらないといけないのは、チームオフェンスのリズムを良くすることです。今日はシステムの中で、自分の良さを出せたと思います」 だからこそ、Bリーグ屈指の司令塔であるチームメートの齋藤拓実からはいろいろと学ぶことが多いと続ける。「シュートだったらフローターとか、足の位置とか細かいことはいろいろありますが、大まかなところで言うと、スピード感を一番勉強しています。(齋藤のように)軽やかなプレーで、ゲームコントロールをすることをすごく意識しています」 ちなみに千葉Jの富樫は、加藤にとって目標としてきた存在で今節の対戦を「内心、めちゃくちゃ喜んでいました」と笑顔を見せる。「昨日、試合が終わってホテルで『これ現実なのかな?』と思うくらいでした。中学校、高校で富樫さんをSNSのアイコンにしていたので、まさかマッチアップできる時がくるなんてと驚きもありました。今同じ舞台に立っている以上は、追い越すことを目標に頑張っていきたいです」 冒頭で紹介したが、加藤はプロ入りをB3でスタートしていた。当時、B1のトップスターである富樫との位置は大きく離れていたが、わずか2年で試合でマッチアップするまでになった。2年続けて個人でカテゴリーを上げ、今はトップリーグのB1でも定位置を確保しつつある。外から見れば、特筆すべきサクセスストーリーを歩んでいるところだが、加藤はしっかりと足元を見つめている。 「チーム外で意識することはないです。相手がどうだからというのはなくて、課題は常にチーム内でどうして行くか。ヘッドコーチの求めることをやっていれば自然と日本一のチームになっていける、日本一の選手になれると信じているので、チーム内における役割を徹底することを意識しています」 一瞬でトップスピードに到達する爆発的な加速力を持つ加藤だが、そのスピードに固執することはなく、聡明さも持ち合わせている。これから名古屋Dが巻き返していく中で、加藤の存在はより大きく認知されていくはずだ。
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