ヘディング弾に仲間から「城彰二だ!」の声も。FW城秀人(FC東京U-15むさし)が初のU-15日本代表候補合宿で連発し、アピール
3日間のショートキャンプ(9月2日~4日)で11対11の実戦を繰り返したU-15日本代表候補。合宿最後のゴールをFW城秀人(FC東京U-15むさし)が決めた。3チームに分かれて行われたリーグ戦最終戦の終盤、城はMF大石櫂(浜松開誠館高)の左CKからヘディング弾。「(大石が)めっちゃいいボールを上げてくれて合わせるだけだったんで、あれは。僕はヘディングが得意なんで、決め切るって感じでした」と喜んだ。 【写真】ジダンとフィーゴに“削られる”日本人に再脚光「すげえ構図」「2人がかりで止めようとしてる」 合宿中、U-15日本代表候補の3チームは1本25分や1本20分のゲームを計8試合。城は計4ゴールを決め、ライバルたちを上回った。今回が初の年代別日本代表候補選出。「来る前は、とりあえず結果だけ残しに来ようと思っていて。技術とかは多分僕、他の人よりもないと思う。だから、ゴールを決めて、目に留まるように頑張っていきたいと思っていました」という言葉通り、ゴールでアピールした。 このゲームは左足のファーストシュートをGKに止められ、他の試合でも決定機でクロスバーに当ててしまうシーンがあった。だからこそ、「1本目から決め切るってところと、あとは守備とかでサボっちゃう場面が結構あるんで、そういうところを克服していきたいと思ってます」と課題克服を誓う。それでも、「自分が1番得意としてる部分なんで、それを誰にでも合わせれるように」意識したという動き出しの鋭さと巧さは、他の選手たちも認めていたほど。相手DFの視界の外側から加速し、ボールを引き出していた。 FC東京U-15むさしでは2年時まで、FWとしてできることが少なかったのだという。だが、「中3からそういうところを『オマエが全部やりなさい』みたいな感じで、監督に言われてるんで」。今回の合宿中、城は前線から落ちてボールを収めることや、スペースへの抜け出しで起点になったり、縦への仕掛けからクロスを上げ切るなど幅広い動きを見せていた。それらは、この半年ほどで「(できることが)めっちゃ増えました」。今後は点を決めることだけでなく、アシストも、収めることも、守備もできるFWを目指していく。 合宿最終日、得意のヘッドでU-15代表候補合宿ラストゴールを決めた際には、祝福するチームメートから「城彰二だ!」と声を掛けられていた。それに対して城は、「何かちょっと良く分からないすけど、ヘディングで決めたからじゃないですか」と微笑む。 父は日本代表のストライカーとして、1998年のワールドカップ初出場に貢献した城彰二氏。城が特に覚えているゴールは、高卒ルーキーながらJリーグ開幕戦で決めた一撃。「(代表でのプレーよりも、)ジェフ千葉(当時は市原)のデビュー戦で、ヘディングでゴールを決めてたのはめっちゃ覚えています」という。父の現役時代のプレー動画から学ぶことも多いようだ。 「お父さんとプレースタイルあんまり似てないんで。裏抜けタイプじゃないんで、お父さんは。でも、お父さんのプロの動画とか見て収めるところとかほんと上手いんで、そういうところを勉強しています」と明かす。 自主性を大事に育てられる中で、一つ一つ積み重ねてきた。比較される声ももちろんあるだろうが、「そういうのはオレ、あんまり気にしないタイプなんで。『お父さんを超える』っていうのはもうマストなんで、絶対しないといけないんで。(将来、)『超えてやったぜ』、みたいな。やっぱ見返してみたいです」。現在、FC東京U-15むさしでプレーする城は、自分のことに集中。そして、その道を切り拓いていく。 今夏の日本クラブユース選手権(U-15)大会は3戦連発も記録したが、チームは3位。後期はまずチームのリーグ戦全勝、全日本ユース(U-15)選手権優勝を目指している。また、より強度を上げ、今年中にU-18チームの公式戦に出場することにも挑戦。そして、将来は日本代表FW上田綺世やフランス代表FWオリビエ・ジルーのように、常に得点を決めるようなストライカーになって、目標の日本代表やイングランド・プレミアリーグで躍動する。