【解説】どうする?日銀 “長期国債買い入れ減額”方針も円安続く、焦点の利上げはいつ?
日テレNEWS NNN
日銀は金融政策決定会合で、長期国債の買い入れ減額の方針を決定。“円安の歯止め”も期待されたが、逆に円安は続いている。そのワケとは。止まらない円安に、焦点の「利上げ」に日銀はいつ踏み切るのか。植田総裁の会見を経済部・宮島香澄解説委員が読み解く。 ◇◇◇ ――金融政策決定会合は、たった今植田総裁の記者会見が終わりました。どんな内容でしたか? 今回は決まったことが少し市場参加者の予想とずれていて、かなり細かいやり取りがありました。総裁はその一つ一つについて比較的慎重に、時々文章などに目を落としながら丁寧に答えていて、慎重さが目立った会見でした。
■日銀総裁会見のポイント
――会見のポイントは。 まず、長期国債の買い入れ減額の方針を決めました。ただ、具体的にどう減額していくか出さずに、次の7月にこの先1~2年程度の減額計画を決定するという方針を決めました。その理由は、長期金利を「自由な形で形成してもらうため」ということです。政策金利は維持しました。 そして会見の中で国債買い入れの減額はどのぐらいなのかという質問に対して、「相応の規模」と言いました。市場参加者は、そんなに大きくないのではないかという予想をしています。ただ、今「少し」というと円安が進みそうですし、言えないと思います。そして、長期金利の形成、国債の減額には予見可能性と柔軟性が非常に重要だと話しました。2つのバランスをしっかりとっていくということです。 それから、国債の買い入れの減額が、いわゆる金融の引き締めに当たるかどうかという質問が出たんですけれども、金利のちゃんとした形成のためにやるのであって、金融政策的な色彩は出さないと話しました。そして皆さん関心がある物価や賃金の状況なんですけれども、今のところ出ているデータは、概ね日銀の見方に沿っているということでした。
■植田総裁会見に、為替相場は
それでは現在の円相場を見てみましょう。158円70銭から90銭ということで、会見のスタートとそんなに変わってはなさそうですね。金融政策が発表された時は、157円ちょうどくらいから70銭ほど一気にパンと円安に行きました。 今回は国債買い入れ減額が予想されていて、その具体的な形まで出るんじゃないかという予想が強かったんですけれども、それが出なかったということで、円安に進みました。ただ、総裁の会見の最中は一部、利上げの話が出たときに少し円高に振れましたが、会見の最初と最後では、慎重な言い方をしましたので為替相場に影響はあまりありませんでした。 長期金利は、今回の発表の後、低下しています。