JRA側が裏切られてしまった、騎手の携帯持ち込み問題 迷惑かけたら1人だけの問題ではなくなると思って行動してほしい
◇コラム「ターフビジョン」 先週、また携帯問題で期待の若手が騎手免許の取り消し申請を申し出て引退となった。JRAからの処分発表を待たずしてだ。 関係者、ファンからは携帯持ち込み禁止は、時代の流れにそぐわないという声がきっと多いだろうが、自分の考えとしては、それでも持ち込みは駄目だろう。公営競技界において、八百長行為があったとなると、猛烈なバッシングが待ち構えており、当事者もその世界で仕事をする道が閉ざされる。関係者もその道を選ぶ時に、携帯電話の持ち込みは許されないという考えもあっただろう。しかし、JRAは昨年の若手騎手の携帯電話事案まで、持ち込みは許可していた。関係者を信じての取り計らいだ。 しかし、それで結果はどうなったか。偽装して持ち込み、挙げ句の果てに外部と通信してしまった。要はJRA側が裏切られてしまったのだ。騎手の節内移動すら問題が起こる危険があると自分は思っているが、そこまですると有力馬の乗り代わりが激しくなり、競馬の発展に支障が起こると思うので、そこは関係者を信頼するしかないだろう。ただ、信頼を裏切ると、そこにもメスが入っても仕方ないと思う。迷惑をかけたら1人だけの問題ではないと思って行動してほしいと願うしかない。(米内宏一郎)
中日スポーツ