ダービー馬の父が魅せたレース史上最大着差V 種牡馬人生を大きく変えたジャパンC制覇
エピファネイアは20年に牝馬3冠を制したデアリングタクト、今年の日本ダービー馬のダノンデサイルなど、次々にGI馬を輩出して名種牡馬の地位を築いている。しかし、競走馬としては順風満帆というわけではなかった。菊花賞でGI初制覇したものの、以降は勝てない日々が続いた。ここでは1年1カ月ぶりの勝利となった14年のジャパンCを振り返る。 【写真】エピファネイアこれまでの軌跡 この年のジャパンCは混戦模様だった。上位人気の2頭は牝馬。1番人気は前々年の3冠牝馬のジェンティルドンナ。このレースには3連覇がかかっていた。そして2番人気がハープスター。同年の桜花賞馬で、前走の凱旋門賞は日本馬で最先着の6着だった。3番人気はジャスタウェイ。ハープスターと同じく凱旋門賞からの帰国初戦で、春にドバイデューティフリーを圧勝していた。この3頭に続く4番人気がエピファネイア。単勝オッズは8.9倍だった。 レースは伏兵サトノシュレンの逃げで幕を開けた。3番枠から好スタートを決めたエピファネイアは好位のインを確保。いつもは道中で行きたがる面を見せるが、この日はテン乗りのスミヨン騎手と息ぴったり。しっかりと折り合いがついていた。となると、直線の弾け方が違う。残り400mで楽々と先頭に立つと、あとは独走。2着のジャスタウェイ以下を寄せ付けず、2つ目のGIタイトルを獲得した。 2着との4馬身差は、昨年のイクイノックスと並び、未だにレース史上最大着差となっている。この圧勝がなければ、種牡馬としてのスタート時点での評価も変わっていたはず。エピファネイアの馬生に大きな勝利であったことは間違いない。