ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
ベンテイガEWBのように巨大な高級車の燃費は、クルマ選びの真面目な基準というより、興味の対象となりがちだ。ツーリングで9.1km/L、平均6.4km/Lという大食らいっぷりは予想の範疇で、カリナンと同程度だ。しかし、その結果が好ましいのはベントレーではなくロールス・ロイスのほうだろう。あちらはより重く、エンジンは4気筒多いのだから。 ベントレーが優位なのは価格設定だ。ミュリナー仕様のEWBでも、カリナンの標準仕様よりだいぶ安いうえに、多くの点で装備内容は上回っている。たとえばロールス・ロイスは、ベンチレーテッド付きマッサージチェアや後席プライバシーガラス、リアドアの自動クローズを標準装備していない。 ベンテイガの標準モデルに対し、EWBの値上がり分はおおむね1万6000ポンド(約312万円)で、変更内容を考えればリーズナブル。EWBのエントリーモデルは19万4500ポンド(約3793万円)で、ミュリナーは25万8630ポンド(約5043万円)と価格にだいぶ開きがあるが、通常モデルで選択すると高額なオプションの後席エアラインシートなど、装備はかなり拡充されている。
レイアウト
EWBのモノコックは、ベーシックなベンテイガに対して大幅に手直しされている。エンジンはV8のみで、ZF製8速ATとトルセン・センターデフを組み合わせる。 後輪偏重のトルク配分は、ベントレーらしいハンドリングを実現。285幅のタイヤも、路面をガッチリ捉える。テスト車は満タンで2600kg、前後重量配分は55:45だった。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き四輪駆動 形式:V型8気筒3996cc、ツインターボ、ガソリン ブロック・ヘッド:アルミニウム ボア×ストローク:φ86.0×86.0mm 圧縮比:10.1:1 バルブ配置:4バルブDOHC 最高出力:550ps/6000rpm 最大トルク:78.5kg-m/2000~4500rpm エンジン許容回転数:6600rpm 馬力荷重比:225ps/t トルク荷重比:32.2kg-m/t エンジン比出力:138ps/L