ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適
走り ★★★★★★★★★☆
ベンテイガEWBは、ほかのベントレーより乗員ファーストなので、パフォーマンスは最優先課題ではない。とはいえ、6.0LのW12でなくてもかなりの動力性能を備えている。スクエアストロークのホットV8気筒はトルク重視で、低回転域でベストな働きをするようチューニングされている。 テスト車は満タンで2600kgあるが、0-97km/hは4.4秒と、104kg-mものトルクを誇ったミュルザンヌより速い。カリナンと比べても0.5秒のリードで、161km/h到達時には1.1秒までその差を広げる。 W12ほどではないにせよ、このV8はすばらしくスムースでストレスがない。走り出しは驚くほど洗練されていて、エンジンは常に控えめで余力を残している。うなりも軽いもので、オーバーテイクや高速道路の合流時でも、遠くから聞こえてくるように感じる。 ZF製のギアボックスは、低速での取り回し時には必ずしも巧みな変速を極めるというものではない。前進と後退の切り替え時に、駆動系の切り替えがはっきり感じられることがある。とはいえ走行中は、超高級車らしく、まるで無変速のようなフィールだ。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
■インフォテインメント ベンテイガには、回転収納式ディスプレイが用意されないが、10.9インチは今やさほど大きなサイズではなく、ボリュームあるダッシュボードにうまく埋め込まれている。グラフィックはきわめてシャープというほどではないが、まずまず鮮明で、アイコンはやや小さいが、慣れてしまえば操作はしやすい。 とはいえ、ディスプレイ下に大きめの実体ショートカットボタンがあるのがありがたい。これがあるとないとでは、使い勝手が大きく違う。 最新のベントレーはまた、Apple CarPlayとAndroid Autoを装備し、どちらもうまく連携できている。オーディオについては、7065ポンド(約138万円)のネイム製ベントレー専用システムがおすすめ。非常にパワフルかつ鮮明だ。ただし、顎が落ちるほどではないが。 ■燈火類 ジュエルのようなLEDマトリックスヘッドライトは標準装備。光の強さも照射範囲もかなりのものだ。アクティブビームブランキングは、対向車を幻惑させることがめったにない。 ■ステアリングとペダル うまくアレンジされたペダルは、ゴツい靴でもオッケーなスペースを設けている。とはいえ、ローファーくらいが操作するにはちょうどいい。