「専業主婦がそんなにエライか?」パート母が翻弄された田舎の「祭り」。男尊女卑な「昭和親父たち」へのムカつきが止まらない
「会合はたいてい平日。学校のPTAとかの集まりもそうですが、働いている人のこと考えたことあるのかな?っていう時間設定ですよね。 今回の係の面々は働いている人がほとんどだったこともあり、理事会にお願いをして、平日の夕方以降か、土日に会議を変更してもらいました。でもこれも一悶着あって…」。 理事会のメンバーたちが、景子さんをはじめとする係のメンバーに浴びせた言葉は、ハラスメントでしかない。 ー専業主婦にもなれないなんて…。 ー昼間働くっていってもパートなんだから休めるだろう。 ー共働きと言っても夫がほとんど稼いでるんだろう? 「こちらは丁重にお願いをしているんですよ。それなのに返ってくるのはこんな言葉ばかり。目上の方ですし、もちろん気は使いますが、流石にムッとしてしまいました。そうしたら…」。 ーこんなことで腹を立てる女は母親としてもダメだろ。 ーこっちが折れてやっているのに。 ー最近の若いものは礼節がない。 この言い草だ。とんでもない親父たちである。それでも景子さんたちはなんとか耐えて、その場をやり過ごしたと話す。 「私はこちらに住んで15年になります。隣近所はとてもいい方ばかりですし、治安も良好。ここで揉めて引っ越すなんてこと、今更考えられません。 理事会のじじいどもは、本当にいけすかないとしか言いようがありませんでしたが、係のみんなで愚痴をこぼしあったりしながら、なんとか1年耐え抜こうと思っていました」。 ところが、更なる問題が起こったというのだ。その日の理事会の議題に上がったのが、秋のお祭りにおける役割分担だった。 「秋のお祭りは神輿が出ることもあり、かなり大掛かりになります。理事会や係だけでは、手一杯なのでさらに地域からお手伝いを募集するそうなんです。とはいっても一般の人が手伝いに加わることはほんとどありません。そこに手伝いにくるのが、世話役を名乗る有志なんです」。 この有志のメンバーがとんでも親父たちをさらにつけ上がらせる行動に出る。【後編】ではさらに詳しく、その内容について迫っていきたい。 取材・文/悠木 律