【衆院選】袴田巌さんの再審を通じて必要が訴え続けられた再審制度の改正 衆院選でも争点であるはずだが…
衆院選争点の特集。衆議院が解散した10月9日袴田巌さんの再審無罪が確定しました。審理に58年も時間を要した背景にあるのが法律の不備。今回の選挙は再審制度の改正に向けても大きな意味を持っています。 23日名古屋高裁金沢支部が出した決定。 38年前に福井市で女子中学生が殺害された事件で、殺人の罪で服役した前川彰司さんの再審開始を認めたのです。 袴田巌さんの姉ひで子さんは・・・ ひで子さん: 「前川さんの再審開始になって大変喜んでいるところです。巌は助かりましたが、まだ再審開始を待ち望んでいる方がいくらでもいるんです。再審法改正を急いでやっていただきたいと思っております」 静岡県弁護士会の再審法改正プロジェクトチームで座長を務める大多和暁弁護士です。 大多和暁弁護士 「島田事件、そして今度、袴田事件ということで、その2つも(えん罪事件が起きたのが)静岡だと、これは静岡の地でやっぱり何とか声を大きく上げていく必要がある」 日本で再審に関する規定は、刑事訴訟法に19の条文があるだけ。 この100年、ほとんど改正されていません。 再審にしっかりした規定がないことが、審理の長期化につながっていると言われています。
その最たる例がいわゆる「袴田事件」です。 小川秀世主任弁護人 「第一次再審が遅れたというか長くかかったことはやっぱり証拠開示がなされてなかったことですよね。再審開始決定が2014年に出ましたよね。ところがそれに対して検察官が抗告したことでまた9年延びてしまった。我々も法律がないというところで率直に言って手詰まりだった状態だったわけ」 多くの無罪判決を出してきた木谷明元裁判官。 再審制度が改正されない背景に所管する組織の問題があると主張します。 木谷明元裁判官 「検事が法務省の枢要なポストを占めています。法務省が検事に都合の悪いことは一切しない」 2014年に袴田さんの再審開始を決定した静岡地裁の村山浩昭元裁判長。 やはり法整備の必要性を訴えています。 村山浩昭元裁判長 「法務省がもし動かないのであれば議員立法も視野に入れた形で活動をしていただくと。ということをもちろんこちらは望んでおります」 2024年3月、再審法改正を求める超党派の国会議員連盟が設立。 その後、半年で、加盟議員は全国会議員の半数近くに増えました。